欧州CLグループリーグ第3戦が各地で行われた17日、ACミランは敵地ブリュッセルでベルギー王者アンデルレヒトと対戦、0−1(アウェイ)勝利を飾った。現在グループリーグ「H」組はACミラン(7=2勝1分)、リール(5=1勝2分)、アンデルレヒト(2=1敗2分)、AEKアテネ(1=2敗1分)となっており、展開次第では次節でACミランの決勝トーナメント進出が決まる。

DFボネーラ退場で迎えた後半13分、セードルフからパスを受けたカカは躊躇することなく右足を振りぬいた。エリア外正面約28m、豪快に放たれたシュートは時速101km(SKY調べ)で相手GKの左手を弾きネットに突き刺さった。DF陣の油断だった。アンデルレヒト守備陣形は5人揃っていたが、カカに一瞬の“シュートタイム”を与えた代償が高く付いた。

4−3−「1」−2、4−3−「2」−1。トップ下「1」を望むカカと、試行錯誤の末セードルフとの「2」シャドー起用を強いたアンチェロッティ監督。先日、フォーメーションを巡り監督との間に流れた“不穏な空気”を、この日トップ下で先発したカカが自らの弾丸決勝点で切り裂いた。クラブの至宝カカの大活躍に副会長ガリアーニは「絶対に手放さん」と絶叫、アンチェロッティ監督も「カカにスペースを与えたら一瞬で『破壊者』に変わる。ミランのリーダーに成る日も近い」と全幅の信頼を置いた。またガゼッタ・デッロ・スポルト紙は採点欄で「8=ミラン・サポーターに一つだけ質問したい。カカがいるのになぜロナウジーニョを夢見るのか?」と最高得点を付けた。

ゴール後、真っ先に駆け寄ってきたカカを我が子のようにしっかりと抱きしめたアンチェロッティ監督。カカのゴールは欧州CLグループリーグ突破“当確ランプ”だけでなく、ACミランの将来を明るく灯した一発でもあった。