17日のチャンピオンズ・リーグで、CSKAモスクワのホームに乗り込んだアーセナルは、0−1の敗戦を喫し、グループG首位の座を明け渡した。

 24分にFKからブラジル代表FWダニエル・カルバリョに先制点を許したアーセナルは、86分にクロスボールを受けたFWティエリ・アンリが同点弾を決めたかに見えた。しかし、主審の判定はハンド。さらに、このプレーを故意とみなしたマヌエル・ゴンザレス主審は、アンリにイエローカードを提示した。この判定に対し、フランス代表FWは激怒。試合後、スペイン人主審の判定を激しく非難した。

「あのプレーのどこがハンドなんだ? しかも、主審はイエローカードを出した。でも、リプレーを見れば一目瞭然だ。あのプレーは、間違いなく正当なゴールだった。その証拠に、モスクワのGKとDFは、何も言わなかったじゃないか。ハンドと主張したのは、50メートル以上も離れた場所にいた副審だけだ。試合後、主審と副審に説明を求めたけど、何も答えてはくれなかった」

 さらに、アーセン・ベンゲル監督も、主審の判定ミスを辛らつに批判している。

「審判は何も見ていないはずだ。あれは間違いなく得点だ。これまで、判定ミスでゴールを許すことは何度か経験しているが、今回のケースは新種だ。ありもしないハンドで、ゴールを取り消されてしまったのだからね」

 一方で、守備的な4−5−1システムで、1トップのアンリが孤立する場面も目立った試合展開に、ベンゲルは「序盤はモスクワに力負けしていたし、失点後は巧く守られてしまった」と、完敗を認めている。決勝で涙をのんだ昨シーズンのリベンジを目標に据えるアーセナルにとって、思わぬ足踏みとなった今回のモスクワ遠征。11月1日にホームで迎えるリターンマッチは、敗戦が許されない戦いとなる。