「VIVANT」公式Xより

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TBS局内 熱気消え去る

 昨年7月期に放送され日本のドラマ史上まれなる考察合戦で盛り上がったのがTBS系連続ドラマ「VIVANT」。15日に福澤克雄監督が「続編は決まってません」「大赤字」と話したことが波紋を呼んでいる。昨年12月からNetflixで配信され、世界進出を目論んだ日本発のドラマだったのだが…。結果は芳しくないようだ。その背景とは。

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VIVANT」は謎の組織「別班」と公安警察が複雑に絡み合う重厚なサスペンスアクション。主人公の乃木憂助を演じた堺雅人の他に阿部寛、二階堂ふみ、松坂桃李、二宮和也、役所広司といった主役級がそろい踏みしたことでも話題となった。

VIVANT」公式Xより

 長期モンゴルロケを行うなど日本のドラマとしては、異例の1話あたり1億円ともいわれる巨額の制作費をつぎ込んだことも奏功して、視聴率はうなぎのぼりで上昇。最終回の世帯視聴率は19.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。異例の数字をたたき出し、社会現象にもなった。視聴者の間では続編の放送を期待する声が高まっていたが、最近、局内の空気は急速に冷えこんでいるという。

 放送担当記者がこう明かす。

「『VIVANT』はフランスのカンヌで開催された世界最大級のコンテンツ見本市MIPCOMで日本ドラマ部門のグランプリを受賞し、昨年12月からはNetflixで190以上の国と地域で全話が配信されました。しかしその後、『VIVANT』の評判がほとんど聞こえてこないのです。どうやら海外での反応が芳しくないようです」

 実際、どうなのか。Netflixのホームページで「VIVANT」を調べてみると、世界の中でTOP10入りしたのは2カ国だけ。日本で4週にわたりTOP10入りしていて、あとは台湾のみで、それもわずか1週で圏外に去ってしまった。

淡泊なラブストーリー

 ほぼ同じ頃にNetflixで配信が始まった同名漫画が原作の実写化ドラマ「幽☆遊☆白書」は、Netflix週間グローバルTOP10(非英語部門)で初登場1位を獲得。英語を含めた全言語シリーズで全世界2位を獲得し、92の国と地域でTOP10入りするなど、日本発の作品としては過去最高を記録している。これに比べると、「VIVANT」の苦戦ぶりがうかがえる。

「日本ではSNSで空前の考察合戦が繰り広げられて高視聴率を記録しました。しかし、冷静になって振り返ると、『VIVANT』冒頭に登場する堺雅人演じる乃木憂助の二重人格の意味が分かりにくかったり、乃木と二階堂ふみ演じる医師・柚木薫のラブストーリーも“淡泊”に感じました」(前出の放送担当記者)

 一体、どういうことなのか。

「登場人物の繊細な心理描写や大胆なアクションを盛り込んだ福澤克雄監督の手腕は、日本のドラマ界屈指です。ただ、福澤監督自身、昨年12月に放送されたTBS系深夜番組『私が女優になる日』に出演した際、『ラブストーリーのドラマに三番手の監督で入ると下手で外された』『女性の描き方は超苦手』などと打ち明けていました。海外の視聴者はサスペンスやアクションの中にも、濃密な“ラブ”要素を求める傾向があり、『VIVANT』の苦戦に繋がっているのではないでしょうか」(同)

 Netflixでの思わぬ苦戦を受けてTBS周辺からはこんな声が。「あれだけ盛り上がった『VIVANT』の熱気が消え去り、『続編は断念』といったため息すら聞こえてきます。莫大な予算をつぎ込んだだけに、よほどのことがない限り上層部から『GO』の指示は出ないのでは。TBSとしては海外戦略の練り直しが必要のようです」(同局関係者)

 考察合戦のあの熱気はこのまま砂漠の彼方へ消えていくのだろうか。

デイリー新潮編集部