アーセナルのアーセン・ベンゲル監督は、マルセイユのMFフランク・リベリの獲得を否定した。ドイツ・ワールドカップでフランス代表の準優勝に貢献した23歳のMFは、今夏のビッグクラブ移籍が確実視され、アーセナルも有力候補の1つに挙げられた。最終的に、マルセイユ残留を決断したリベリだったが、1月の移籍マーケット解禁が近づくにつれ、再びアーセナル移籍が取り沙汰されている。しかし、指揮官のベンゲルは、この噂を一蹴。戦力補強の予定がないことを明らかにした。

「リベリ獲得に興味はない。これまで、マルセイユにオファーを出したこともない。いい選手だとは思うが、現時点で補強は考えていないよ。必要な戦力は揃っているからね。攻撃陣から数人抜けたのは事実だが、それでもトーマス・ロシツキをはじめ、補強は十分だし、若手も順調に育っている」

 しかし、リベリの代理人を務めるブルーノ・ヘイデルシェイドは、リベリのアーセナル移籍を信じて疑わない。『ニュース・オブ・ザ・ワールド』紙の取材に対し、今後の見通しを語った。

「アーセンはリベリが大のお気に入りだ。今夏の獲得を希望していたが、マルセイユが拒絶したために、諦めざるを得なかった。ただし、来年もう一度獲得に動くと、私に話していたよ。フランク自身も、アーセンが監督を務めるアーセナルへの移籍を望んでいる。同じフランス人で、個人的にも親交のあるティエリ・アンリがプレーしているのも大きい。現時点では、合意はもちろん、交渉も行なっていないが、来年1月には何らかの動きがあるかもしれない。フランクは、ヨーロッパを代表する選手に成長した。当然、彼を欲しがるビッグクラブはいくつか存在する」

 フランス代表でジネディーヌ・ジダンの後継者として期待されているリベリには、ビッグクラブ移籍の噂が絶えない。しかし、マルセイユとの契約は4年間残っており、フランスの名門がチームの大黒柱を簡単に手放すとは考えにくい。今後はリベリのノースロンドン行きに向けて、代理人、アーセナル、マルセイユの3者間で激しい駆け引きが行なわれそうだ。