フレームを流用しないスズキGSRネイキッドの750バージョン!【このバイクに注目】(このバイクに注目)
スズキにはネイキッドに対し、スーパーバイクやスーパースポーツのフルカウルを剥ぎ取っただけで、フレームをそのまま残した構成を潔しとしない風潮がある。
ベースをスーパースポーツから継承しても、フレームやスイングアーム、それに燃料タンクやシートまで、新たにオリジナルでデザインをしている場合がほとんど。
たとえば"隼"エンジンを搭載したネイキッドを2001年にコンセプトモデル"B-KING"として発表、フレームも違えばマフラーを2本のセンターアップとするなど、全く異なるデザインのインパクトの大きな車体で注目を浴びた。
それは2006年のGSR400でも然りで、レプリカの車体は使わずオリジナルの専用ツインスパーと思いきりコストをかけ、このデザインコンセプトで2012年にはGSR250をリリース、B-KINGはその後2008年にGSX1300BKとなって世に送り出されていた。
ただこのGSRシリーズが、あまりに特徴的なデザインで馴染みにくく、もう少し一般的なネイキッド・デザインとしたGSR750の設計が進められていた。
当初は輸出専用で、2年遅れて国内向けモデルをリリース!そして2011年に発表となったGSR750は、輸出専用でホワイトに黒と赤の3色をリリース。
それから2年後の2013年に発売となった国内向けモデルは、いわゆるスズキ・カラーのブルーとホワイトのツートンだった。
エンジンはGSX-R750をベースとした同じボア×ストロークだが、圧縮比を高めて低中速域のピックアップやトルクを高め、タウンユース向きなエンジン特性へ大幅なチューン変更を施していた。
その後スポーティなイメージアップでスズキ・カラーが増える!この低中速域に徹底したエンジン特性が、スポーツ性のイメージを損ねている印象を持たれる対応の一環で、ヨシムラのマフラーを装着したスペシャルモデルも用意、レーシーな仕様でイメージアップをはかった。
いずれにせよ、ヨーロッパでは1,000ccではなく750ccクラスの使いやすさを意識する層が少なからずいるため、そうした評価で順調に需要を伸ばしていた。
このような経緯から国内向けモデルではなく、輸出モデルも少なからず持ち込まれ、いまでも中古車などで目にすることがある。
そして2017年、その名もGSX-S750と名称も変更、ちょっとしたリファインもうけながら継続生産されていた。
以後、スズキではこのGSX-Sシリーズが現在もネイキッドの主流となっている。