ユーロ2008予選のクロアチア戦に敗れ、激しい批判に晒されているイングランド代表監督のスティーブ・マクラーレン。不慣れな3−5−2システムの採用に加え、元代表キャプテンのデイビッド・ベッカムを頑なに選出しない方針にも疑問の声が上がりはじめている。そんな折、マクラーレンとベッカムの間に確執が存在してたことが明らかになった。

 2人の不和を証言したのは、元オーストラリア代表GKのマーク・ボスニッチだ。1999年から2001年までマンチェスター・ユナイテッドに在籍したボスニッチは、当時アレックス・ファーガソン監督のアシスタントを務めていたマクラーレンが、個人的な理由からチームの主力として活躍していたベッカムを冷遇していたと証言する。

「私がユナイテッドに在籍している当時、マクラーレンとベッカムの間には問題があった。どうも性格的な相性が悪かったみたいだ。でも、どちらかといえばマクラーレンのほうが毛嫌いしていたね。ただ、マクラーレンは代表監督になったんだ。過去のことは忘れて、ベッカムを選出すべきだと思うね。半年前までワールドカップの優勝候補と言われたチームのキャプテンを選出しないのはおかしい。アレックス・ファーガソン監督も、選手全員を好きになる必要はないと言っていたじゃないか」

 監督就任当初は一定の支持を得た“ベッカム切り”も、過去の遺恨発覚で、新たな批判の火種となりそうだ。次のユーロ予選は、来年3月のイスラエル戦。それまでに予定されている2度の親善試合で、ベッカムの招集に踏み切るか。その決断が、マクラーレン政権の存続を左右する可能性もある。