【京都府民熱愛】「京都の春巻き」は皮が薄焼き卵⁉具にはアレがたっぷり♡サックリ&柔らか食感が新しい

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一般的に知られている料理でも、所変われば独自の進化を遂げている--。そんなお話をよく聞きますよね。そのひとつとして、今回紹介したいのが「京都の春巻き」!京都の町中華では、小麦粉で作られた春巻きの皮ではなく、薄焼き卵が皮に使われていますよ。YouTubeで『Genの炊事場 SUIJIBA』を運営しているGenさんが、「京都の春巻き」の誕生を紹介するとともに、オリジナルレシピで作っていたので筆者も作ってみることに!

ライスペーパーで巻けばサクッと軽い軽い♪「絶品ふわり春巻き」に挑戦!外はカリッと中はふわっと食感♡


GenさんのX(旧Twitter)がこちら!


Genさんという方が、謎の春巻きと称して「京都の春巻き」をX(旧Twitter)にポストしていますよ。動画もあるので、「京都の春巻き」を初めて知った方でも、どんな料理か伝わると思います。「京都の春巻き」は小麦粉で作られた皮ではなく、薄焼き卵を皮に使っているのが特徴です。

ちなみに、GenさんはYouTubeでチャンネル登録者数113万人の『Genの炊事場 SUIJIBA』を運営しています。料理も動画も趣味だそうで、脚本や小説も書いていると概要欄に書かれていました。

動画では作り方だけではなく「京都の春巻き」の誕生についても詳しく解説もしていたので、簡単にご紹介します。

”他とは違う”を好む京都人♪春巻きにも独自性を追求

Genさんは、動画内で「京都の春巻き」に薄焼き卵が使われている理由を解説していました。

日本で中国料理が広く浸透したのは、幕末から明治時代。国交が開かれた幕末に多くの西洋人がやってくると同時に、日本よりも先に西洋文化に触れていた中国人が、通訳として来日したのだそう。その影響で日本に中国料理がもたらされ、特に関西ではあっさりとした広東料理が好まれたそうです。

でも、そのまま広東料理を受け入れないのが京都人。京都人の「他とは違う」や「京都独自」といった強いこだわりが反映され、広東料理にだしの旨味を加えて、和食に近い味わいにアレンジ。中国の広東料理とはひと味違う、京都中華へと変化したのだそう。

薄焼き卵を使った春巻きは、広東を含め中国本土でもマイナーな料理でしたが、神戸の中華街にいた料理人がたまたまその料理を知っていたのだそう。そして、京都中華の老舗・ハマムラの創業者が「玉子春巻き」の作り方を知っていた料理人を招き、お店で出したところ人気に。そうやって、京都で薄焼き卵を使った春巻きが広まっていたそうです。

筆者は「京都の春巻き」の存在は知っていましたが、食べたことがありません。Genさんがオリジナルで作っていたので、そのレシピを参考に作ってみたいと思います。

薄焼き卵がポイント!「京都の春巻き」を作ってみた!

薄焼き卵を焼くフライパンは、大きめのものがおすすめです。干ししいたけは事前に戻して置いてくださいね。

今回は卵の個数を間違えて2個で作りましたが、実際のレシピでは3個使っています。2個でも作れますが、薄焼き卵を焼く難易度が上がるので3個用意するのがよさそうです。



【材料】(2本分)
(春巻きの皮)
卵(Lサイズ)…3個
片栗粉…少々
サラダ油…適量
水溶き小麦粉…小麦粉大さじ2と1/2+水大さじ1

(餡)
豚バラ薄切り肉…100g
水煮たけのこ(細切り)…100g
干ししいたけ(戻したもの)…大2個または小4個
青ねぎ…2~3本
ニラ…2~3本
しょうが(すりおろし)…小さじ1
ゴマ油…小さじ1 ※炒め用



(合わせ調味料)
水…80ml
干ししいたけの戻し汁…小さじ4
しょうゆ…大さじ1
酒…大さじ1
鶏ガラスープの素(顆粒)…小さじ2 ※顆粒昆布だしでも可
砂糖…小さじ1/2
塩…小さじ1/5
うま味調味料…少々
水溶き片栗粉…水大さじ2+片栗粉小さじ2

1.青ねぎとニラを約7cm長さに、干ししいたけと豚バラ肉を細切りにします。水煮たけのこは、サッと洗ってザルに上げます。



春巻きの具は豚肉、たけのこ、干ししいたけ、青ねぎ、ニラと一般的なものを使います。たけのこは水で洗ってザルに上げておきました。

2.水、干ししいたけの戻し汁、しょうゆ、酒、鶏ガラスープの素、砂糖、塩、うま味調味料を混ぜ合わせておきます。



干ししいたけの戻し汁が入るので、和食と中華の中間のような味になりました。

3.ゴマ油としょうがを入れたフライパンを中火で熱し、香りが立ったら豚肉を入れ、お肉の色が変わるまで炒めます。



中火で3分ほど炒めると、豚肉の色が変わりました。



4.干ししいたけ、たけのこ、青ねぎ、ニラを加えてサッと炒め、2の合わせ調味料を加えて煮込みます。具材に火が通ったら、水溶き片栗粉でとろみを付けます。



野菜を1分ほど炒めてから、合わせ調味料を加えて3分ほど煮込みました。具は薄焼き卵の皮で包むので、しっかりととろみを付けるのがポイント。水溶き片栗粉を加えて2分ほど加熱して、どろっと仕上げました。

5.溶きほぐした卵に片栗粉を加えて混ぜ、裏ごしします。



裏ごしすると薄焼き卵がなめらかに仕上がるそうです。濾すと溶け残りの片栗粉が取れました。

6.サラダ油を引いたフライパンを中火で熱し、卵液の半量を注いで表面が固まったらひっくり返し、反対側を30秒ほど焼きます。



春巻きの皮として使うので、薄焼き卵は大きく焼くと包みやすいですよ。今回は直径28cmのフライパンを使い、卵液を流したらフライパンを回して、薄く広げて焼きました。

動画では片面が焼けたらひっくり返して焼いていましたが、薄くて破れそうだったため、卵の表面が乾いたら火を止めて余熱でしっかりと火入れすることに。焼けた薄焼き卵はお皿に移し、もう1枚も焼きました。

レシピでは卵3個なのですが、個数を間違えてLサイズの卵2個で2枚分の薄焼き卵を焼きましたが、薄く大きく焼くことが出来ました。



7.冷めた薄焼き卵に4の具を広げ、両端と具の向こう側に水溶き小麦粉を塗って、しっかりと巻きます。



巻き方は一般的な春巻きの皮と同様です。薄焼き卵同士はくっつかないので、水溶き小麦粉をたっぷり付けて閉じるのがポイント。具を1回包み、両端を折って水溶き小麦粉を塗って閉じ、適度に水溶き小麦粉を塗りながら巻いて閉じました。



小麦粉で作られた春巻きの皮とは違い、薄焼き卵はとても繊細でやわらかく、破らないようかなり慎重に包みました。包むのにテクニックが必要!という印象でした。

ちなみに上記の分量で作りましたが、具が半分くらい余りました。卵を6個使って薄焼き卵を4枚焼くか、餡と合わせ調味料の分量を半量にすると、バランスよく作れると思います。

8.170℃の油で表面がこんがりとするまで揚げます。



具も皮もすでに火が通っているので表面が色づく程度に揚げます。今回は少ない油で揚げたので、ひっくり返しながら6分かけて揚げました。油を切って、食べやすい大きさに切ったら完成です。



薄焼き卵の皮がほんのりサックリ!超極薄のうす揚げで巻いたような食感に



薄焼き卵の皮で巻いた「京都の春巻き」が完成しました!小麦粉の皮で作られた春巻きに比べると、巻く工程がかなり難しかったです。

切ってみると、たけのこたっぷりの具がお目見えして、とてもおいしそう。皮も春巻きの皮同様に薄く仕上がっています♪



お箸で掴んでみると、一般的な春巻きのような硬さはなく、ふわっとした掴み心地です。食べてみると、たけのこの風味とあっさりした味わいが広がります♪皮はいわゆる薄焼き卵らしさは感じず、外側が揚がっているので少しだけザラッとした舌触り。全体的にはやわらかくて、初めての食感かも!

一番近いものに例えるなら、超極薄のうす揚げで巻いて揚げたら、こんな感じになるんじゃないかなという印象。料理人のアイデアと技が詰まった、「京都の春巻き」に敬意を表したい思いが。

パリッ!ザクッ!とした一般的な春巻きとは全く違う食感なので、一線を画す春巻きとして楽しめますよ。

オリジナリティを追求する京都人のアイデアと技が薄焼き卵の皮に結集!



YouTubeチャンネル『Genの炊事場 SUIJIBA』で紹介されていた「京都の春巻き」。初めて作ってみて、薄くてやわらかい薄焼き卵で春巻きの具を包むのはかなり神経を使い、上手に巻くのにテクニックを要する料理だと痛感しました。

揚げたての「京都の春巻き」は、薄焼き卵らしからぬサックリとした食感。小麦粉で作られた皮では出せない、独自のおいしさを放っていましたよ。

サックリとしながらもやわらかい皮と、たけのこの風味がふわっと広がるあっさりとした味わいが和食に近く、京都人を満足させる春巻きだと納得出来ました。

一般的な春巻きよりも作るのが難しいのですが、一度挑戦してみる価値はあると思います!”シン・春巻き”とでも言いたいほどの「京都の春巻き」。京都をはじめ、関西以外ではなかなか見かけない春巻きだと思うので、ぜひお試しを。