11日に行なわれたユーロ2008予選のクロアチア戦で、0−2の敗戦を喫したイングランド代表。大半の選手が未経験の3−5−2システム採用が裏目に出た結果に、スティーブ・マクラーレン監督は自らの責任を認めた。

「負けてしまったのだから、戦術が機能したとは言えない。システム変更を決めたのは私だ。だから、すべては私の責任。批判は甘んじて受ける。ただ、国際レベルにおいて、システムのオプションを複数持つことは不可欠だと、私は今でも考えている。3−5−2を試したことに後悔はない。厳しい状況に追い込まれたのは事実だが、先はまだ長い」

 敵地ザグレブに乗り込んだイングランド代表は、不慣れなシステムで序盤から窮屈なプレーに終始。61分に先制を許すと、その8分後には、DFガリー・ネビルのバックパスが、GKポール・ロビンソンの前でイレギュラー・バウンド。これをトッテナムの守護神が空振りする不運が重なり、ボールはそのままゴールへと吸い込まれた。序盤から好セーブを連発したロビンソンは試合後、オウンゴールを冷静に振り返った。

「僕にはどうしようもなかった。ボールがイレギュラーしたのは、クロアチアのGKが前半にゴールキックした場所だと思う。ピッチに大きな穴が開いていたからね。あの場面でボールがバウンドするなんて予期できない。普通にクリアしようとしたら、空振りしてしまった。今日の敗戦は確かに痛いけど、まだまだチャンスはある」

 この敗戦で、消化試合が1つ少ないクロアチアに勝点で並ばれ、グループ2位に後退したイングランド。監督就任後の初黒星を、システム選択のミスという最悪のケースで喫したマクラーレンに、メディアの批判が集中するのは間違いない。はじめて経験する“修羅場”で、マクラーレンの代表監督としての資質が問われることになりそうだ。