リミットまで0.1キロ差の完璧調整 彫刻が如く肉体美を披露した井上尚弥が見せつけた余裕「長くやっても仕方ない」

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圧巻の肉体美を披露した井上。仕上がりは十分だ。(C)CoCoKARAnext

 井上尚弥(大橋)はふつふつと湧き上がる闘志を内に秘め、マーロン・タパレス(フィリピン)と向かい合った。

 12月25日、ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一戦(26日・有明アリーナ)の公開前日計量が横浜市内で行なわれ、WBC・WBO世界同級王者の井上尚弥(大橋)とWBA・IBF同級王者マーロン・タパレス(フィリピン)は、ともに一発パス。試合当日に向け、盤石のコンディション調整を披露した。

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 計量後に「(コンディションは)バッチリです!」と力強く言ってのけた井上は、リミット(55.3キロ)とは0.1差の55.2キロでクリア。まるで彫刻像のように筋肉が割れた肉体美を披露。クリア直後には両手を挙げ、堂々たる表情を見せた。

 数多の猛者と対峙してきた経験からだろう。10秒足らずのフェイスオフでは自らタパレスに手を差し出し、ガッチリと握手。前日の会見で「自分のキャリアを考えれば、まだまだ通過点」と語っていた井上は“史上2人目”の快挙を目前にしているとは思えない“余裕”を感じさせた。

 井上は「フィット感はかなりある。前回にスーパーバンタム(用の肉体)を作る過程で、こうしたらいいかなっていうのは凄く見えた。そこをより良く仕上げることができた」と充実の調整具合を伺わせた。7月のスティーブン・フルトン(米国)との試合で掴んだ感覚が活きたようだ。

 ただ燃えていないわけではない。実際にタパレスと対峙した感想について「内に秘めたものはあります」と語った30歳は、「フェイスオフは長くやっても仕方ない。しっかりとタパレスの表情は見れたんで」と吐露。1日後に迫った決戦に対する展望を口にした。

「(タパレスは)昨日よりも一段と絞ったなという感じはありました。まぁ(減量が)楽ではないのかなと。ただ、きっちりとアンダーで仕上げてきたんで。ここからのリカバリーをお互いにどうしていくかが明日の大きな差になると思う。リカバリー後は前回が60.1だったので、それぐらいで今回も上がろうと思います」

 日本だけでなく、全米でもスポーツ専門局『ESPN』で生中継されるタパレス戦。文字通り世界中が熱視線を向ける決戦だが、日本の怪物は虎視眈々と獲物を捕らえている。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]