シンディ・ラミレス氏がセルフケアの店舗「チルハウス(Chillhouse)」をニューヨークのソーホー地域にオープンしたのは2017年のこと。手ごろな価格で受けられるマッサージやネイル、そしてストレス軽減効果が期待できる抹茶ラテを一カ所で楽しめるという、空白地帯を満たした場を作ろうというのが同氏の考えだ。パンデミック中に同ブランドは、生き残りをかけて事業を速やかに方向転換し、シグニチャーといえるクールなデザインのネイルアートを発売した。それ以降はボディスクラブ、ミスト、インシャワーローションなど一連のボディケア商品を発売。現在、これらの売上はブランド全体の約7割を占めており、ターゲット(Target)やアーバン・アウトフィッターズ(Urban Outfitters)といった小売店でも取り扱われている。ラミレス氏はGlossyビューティ・ポッドキャストの最新エピソードで、チルハウスの立ち上げに至った考えや、ネイルチップ事業への転換、コラボレーターを選ぶプロセスについて語った。以下はポッドキャストで語られた内容を読みやすさのために要約し、編集を加えたものである。

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空白地帯を満たすべくチルハウスを設立

「30歳くらいのある日、土曜日の午後に何をしようかと考えたところ、飲んだり食べたり自分を甘やかすということ以外に何も思いつかなかった。そして『今すぐマッサージを受けたい』と思ったが、かなり高額か、私の予算とは合わなかった。そして怪しげなものも、たくさんあった。罪悪感を感じない手ごろな価格で受けられるマッサージと、満足できるマッサージとのあいだには大きなギャップがあるように感じた。そうしてマッサージ事業を始めたのだが、ひとつのサービスだけに取り組みたいとは思わなかった。そこで私が考えたのは、主に女性がセルフケアや美容で、定期的に受けたいと思うさまざまなこと。そしてすぐに思いついたのがマニキュアだった。毎週受けるネイルサービスと、ほとんどの人が毎月1回受けるマッサージサービスを組み合わせるというのは、とてもユニークだと感じた。そして、周りのスパに足りなかったのは、楽しいカフェだ。通常はサロンに行くと緑茶を手渡されたり、スパのサービスとして緑茶やシャンパンを提供されるだけで、これ自体はとても素敵だと思う。だが、飲食に関しては、高いクリエイティビティやホスピタリティが提供されていなかった。これらをすべてまとめたのだ」。

コロナ禍でネイルチップ事業に軸足を移す

「COVIDが発生し、初めて『何とか解決策を探さなくては』となった。誰もが知るように、当時の小売業の置かれた状況はとても不安定だったのと、自宅にいながらサロン体験を楽しめる商品を開発する大きなチャンスでもあり、それがまさにネイルチップ事業だった。ブレーンストーミングを行い、チルハウスにとって軸となる市場参入戦略はどのようなものになるか探ったところ、それがネイルチップ事業であることが明白になった。私たちはネイルアートで知られていたので、この体験を全国のあらゆる人たちに提供できるようにすることが、最も理にかなっていた」。

意味のあるコラボレーションとは

「コラボレーションについての問い合わせは、数多く入ってくる。ウェルネスやセルフケアの分野ではないものの、この領域のオーディエンスとの接点を持ちたいブランドにとって、チルハウスとのコラボレーションは流通やマーケティングの戦略の一環としてとらえられるようになった。チルハウスには若い女性や、これらの業界との結びつきがとても強くて非常にアクティブな人々との、強固で素晴らしいコミュニティがある。だからこそ、自分たちとは大きく異なるブランドから注目を集めているのだと思う。家電機器メーカーのソノス(Sonos)や、スニーカーブランドのピーエフ・フライヤーズ(PF Flyers)、最近ではビタミンウォーター(Vitamin Water)とも組んだ。この取り組みで最も気に入っていることの一つは、他ブランドのDNAを自分たちのDNAに注入し、何か面白いものを一緒に作り出せること。たとえばビタミンウォーターのデザインは非常に独特だが、とてもチルハウス的でもある」。[原文:Chillhouse’s Cyndi Ramirez on filling a white space in self-care]SARA SPRUCH-FEINER(翻訳:田崎亮子/編集:山岸祐加子)