ユーロ2008予選のブルガリア戦(7日)に先発出場したオランダ代表のFWディルク・カイトは、前半16分に足首の負傷し、途中退場。靭帯の損傷で長期離脱も心配されたが、症状は当初の予想より軽く、所属のリバプールでは22日のマンチェスター・ユナイテッド戦で復帰できる見通しだ。

 新戦力FWの長期離脱を免れたリバプール関係者からは安堵の声が漏れた。しかし、監督のラファエル・ベニテスは、不機嫌な様子を隠さない。過去にも主力を代表戦の負傷で失った経験を持つスペイン人監督は、「各国協会は補償金を支払うべき」と、半ば怒りの表情で持論を展開した。

「例えば、カイトのケガが長引いた場合や、クラウチが負傷した場合、我々は勝点を落とす可能性が高くなる。昨シーズンは、ノルウェー代表の親善試合で、ジョン・アルネ・リーセが負傷し、チャンピオンズ・リーグのベンフィカ戦を欠場した。それでも、我々に対する補償はまったくない。私に言わせれば、各国協会が補償金を支払うのは当然だ。代表に帯同している期間は、協会が選手の給料の50%を支払い、代表戦で負傷した場合は、復帰するまでの期間の給料を全額補償すべきだ。私は監督だから、補償金よりもカイトが一日もはやく復帰することを望むが、これは大きな問題だ」

 さらにベニテスは、負傷中のカイトをリバプールに戻さず、コンディション次第では11日のアルバニア戦でカイトを起用する構えのオランダ代表を激しく非難した。ここまでシーズン7試合でチーム総得点はわずか8と、得点力不足にあえぐリバプール。ようやくプレミアのペースを掴みはじめていた新戦力のあまりにも痛い離脱に、指揮官の不満が爆発した格好となったようだ。