「懸命に守備をする場面ばかり」三笘薫の苦戦ぶりをブライトン番記者が指摘「7か月前の脅威は皆無」【現地発】
ブライトンは敵地エミレーツスタジアムで、アーセナルに実力の差を見せつけられた。結果は0−2も、スコア以上に圧倒された内容だった。
後半にガブリエウ・ジェズスとカイ・ハバーツがゴールを決めて、ガナーズ(アーセナルの愛称)が勝利。プレミアリーグの首位返り咲きに成功した。
アーセナルのシュート数26本に対して、シーガルズ(ブライトンの愛称)はわずか6本のみ。後半途中までは堅固な守備でどうにか食らいついていたものの、最終的には北ロンドンの強豪クラブの軍門に下ったのである。
この敗戦により、ロベルト・デ・ゼルビ監督率いるチームはリーグ9位となり、21日の木曜日にクリスタル・パレスとのダービーを迎えることになる。
試合は序盤からアーセナルが優勢だった。高い位置から積極的にプレスを仕掛けて、ブライトンのプレーオプションを徹底的に潰していく。開始25秒後、DFルイス・ダンクのロングボールをカットして以降は、ガナーズが一方的に攻め立てることになる。
同時にそれは、シーガルズの攻撃へ転じる回数が少なくなること、三笘薫の活躍の度合いを減少させることを意味した。デ・ゼルビ監督のブライトンと言えば、ボールを支配して、パスサッカーで後方からビルドアップするアタッキングフットボールで有名だ。しかしこの試合では、敵のゴールに背を向けて自陣でプレーする時間帯ばかりが長かった。
開始から9分には、三笘が左サイドでボールを受け、対峙したベン・ホワイトに仕掛けたもののあっさりと止められてしまう。昨シーズンに3−0でブライトンがアーセナルを圧倒した際には、日本代表アタッカーがイングランド代表DFに脅威をもたらし続けた。しかし、あれから7か月後のこの試合では、その機会はほぼ皆無。敵陣で攻撃に参加するよりも、懸命にトラックバックしてブカヨ・サカを止めようとする場面ばかりが目立った。
前半はG・ジェズス、マーティン・ウーデゴー、ガブリエウ・マルチネッリ、そしてサカがブライトンゴールに迫り続け、それをゴールキーパーのバート・フェルブルッヘンが必死に阻み続ける構図となった。
中盤では、ビリー・ギルモアやパスカル・グロスがボールを受けるも瞬く間に敵に囲まれて、両サイドの三笘やシモン・アディングラ、もしくはCFのエバン・ファーガソンへボールを供給することができずに、ただただ時間が過ぎていった。43分には、三笘がサカを止めようとこのイングランド代表を身体を引っ張り、イエローカードが出される。明らかにフラストレーションも募っていた。
それでも、防戦一方の中でも両チームスコアレスでハーフタイムを迎え、ブライトン陣営は一定の満足度を得ていたはずだ。一方で、前半を終えてボール支配率は42パーセントも、この時点でブライトンのシュートは0本。翻ってアーセナルは15本をブライトンゴールに浴びせていた。
「イライラしている」ブライトン指揮官が指摘した三笘薫の課題は?「スペースがある時は世界最高のウインガーの一人だが...」
後半、体勢を整えてやり直しを図ったシーガルズだったが、やはり敵陣へ攻める機会が訪れなかった。そして辛抱強くプレーしていたアーセナルがついに均衡を崩す。52分、後方からのビルドアップを試みたブライトンのプレーを止めると、直後のコーナーキックをジェズスが頭で合わせて先制点を奪い取ることに成功する。
その2分後にはダンクから楔(くさび)のパスが入ったものの、あと一歩のところで三笘には届かず。56分には、連続して左サイドの三笘にボールがわたるが、決定機にはつながらなかった。ブライトンのこの試合最初のシュートは64分、ジャック・ヒンシェルウッドのヘディングシュートだったが、アーセナルのゴールキーパー、ダビド・ラヤにあっさりキャッチされてしまう。
72分、ついに三笘がエリア内でホワイトに仕掛ける機会が訪れる。フェイントを入れて抜き去ろうとしたが、直後に倒されてプレーは終了。レフェリーにPKのアピールしたものの、ファウルのコールはなかった。終了間際には三笘の好パスをグロスが押し込もうとしたが、ドイツ代表のシュートはポスト横に外れた。
迎えた87分、カウンターからアーセナルが一気に攻めあがり、ハバーツが決めてダメ押し点を入れられてしまう。
何をやってもうまくいかず負けたブライトンだが、好調のアーセナルが実力に勝ったというしかない。気持ちを切り替えて臨むはずの21日のクリスタル・パレス戦。ダービーでは、“本物”のブライトンが登場してくれることに期待したい。
取材・文●リッチー・ミルズ(ブライトン番記者)
翻訳●松澤浩三
後半にガブリエウ・ジェズスとカイ・ハバーツがゴールを決めて、ガナーズ(アーセナルの愛称)が勝利。プレミアリーグの首位返り咲きに成功した。
アーセナルのシュート数26本に対して、シーガルズ(ブライトンの愛称)はわずか6本のみ。後半途中までは堅固な守備でどうにか食らいついていたものの、最終的には北ロンドンの強豪クラブの軍門に下ったのである。
試合は序盤からアーセナルが優勢だった。高い位置から積極的にプレスを仕掛けて、ブライトンのプレーオプションを徹底的に潰していく。開始25秒後、DFルイス・ダンクのロングボールをカットして以降は、ガナーズが一方的に攻め立てることになる。
同時にそれは、シーガルズの攻撃へ転じる回数が少なくなること、三笘薫の活躍の度合いを減少させることを意味した。デ・ゼルビ監督のブライトンと言えば、ボールを支配して、パスサッカーで後方からビルドアップするアタッキングフットボールで有名だ。しかしこの試合では、敵のゴールに背を向けて自陣でプレーする時間帯ばかりが長かった。
開始から9分には、三笘が左サイドでボールを受け、対峙したベン・ホワイトに仕掛けたもののあっさりと止められてしまう。昨シーズンに3−0でブライトンがアーセナルを圧倒した際には、日本代表アタッカーがイングランド代表DFに脅威をもたらし続けた。しかし、あれから7か月後のこの試合では、その機会はほぼ皆無。敵陣で攻撃に参加するよりも、懸命にトラックバックしてブカヨ・サカを止めようとする場面ばかりが目立った。
前半はG・ジェズス、マーティン・ウーデゴー、ガブリエウ・マルチネッリ、そしてサカがブライトンゴールに迫り続け、それをゴールキーパーのバート・フェルブルッヘンが必死に阻み続ける構図となった。
中盤では、ビリー・ギルモアやパスカル・グロスがボールを受けるも瞬く間に敵に囲まれて、両サイドの三笘やシモン・アディングラ、もしくはCFのエバン・ファーガソンへボールを供給することができずに、ただただ時間が過ぎていった。43分には、三笘がサカを止めようとこのイングランド代表を身体を引っ張り、イエローカードが出される。明らかにフラストレーションも募っていた。
それでも、防戦一方の中でも両チームスコアレスでハーフタイムを迎え、ブライトン陣営は一定の満足度を得ていたはずだ。一方で、前半を終えてボール支配率は42パーセントも、この時点でブライトンのシュートは0本。翻ってアーセナルは15本をブライトンゴールに浴びせていた。
「イライラしている」ブライトン指揮官が指摘した三笘薫の課題は?「スペースがある時は世界最高のウインガーの一人だが...」
後半、体勢を整えてやり直しを図ったシーガルズだったが、やはり敵陣へ攻める機会が訪れなかった。そして辛抱強くプレーしていたアーセナルがついに均衡を崩す。52分、後方からのビルドアップを試みたブライトンのプレーを止めると、直後のコーナーキックをジェズスが頭で合わせて先制点を奪い取ることに成功する。
その2分後にはダンクから楔(くさび)のパスが入ったものの、あと一歩のところで三笘には届かず。56分には、連続して左サイドの三笘にボールがわたるが、決定機にはつながらなかった。ブライトンのこの試合最初のシュートは64分、ジャック・ヒンシェルウッドのヘディングシュートだったが、アーセナルのゴールキーパー、ダビド・ラヤにあっさりキャッチされてしまう。
72分、ついに三笘がエリア内でホワイトに仕掛ける機会が訪れる。フェイントを入れて抜き去ろうとしたが、直後に倒されてプレーは終了。レフェリーにPKのアピールしたものの、ファウルのコールはなかった。終了間際には三笘の好パスをグロスが押し込もうとしたが、ドイツ代表のシュートはポスト横に外れた。
迎えた87分、カウンターからアーセナルが一気に攻めあがり、ハバーツが決めてダメ押し点を入れられてしまう。
何をやってもうまくいかず負けたブライトンだが、好調のアーセナルが実力に勝ったというしかない。気持ちを切り替えて臨むはずの21日のクリスタル・パレス戦。ダービーでは、“本物”のブライトンが登場してくれることに期待したい。
取材・文●リッチー・ミルズ(ブライトン番記者)
翻訳●松澤浩三