12月14日の「おはよう寺ちゃん」（文化放送）では、木曜コメンテーターで京都大学大学院教授の藤井聡氏と寺島尚正アナウンサーが、に化石燃料の「廃止」が消えたというニュースについて意見を交わした。

藤井氏「アメリカだってヨーロッパだって本気でやらない」

COP28(第28回国連気候変動枠組み条約締約国会議）は13日、化石燃料の削減に向けた文言で合意した。米欧が求めた当初案の「段階的廃止」は中東産油国の反対で見送られ、妥協の色が濃い成果文書となった。脱化石燃料に向けた実効性を維持できるかは見通せない。

合意文書はおよそ10年間で化石燃料から脱却することや再生可能エネルギーを2030年までに現状の3倍に拡大する方向性を明記した。

また、合意文書は温暖化対策に取り組むべき施策として「2050年までにネットゼロ（温暖化ガス排出の実質ゼロ）を達成するために、この非常に重要な2020年代に、科学的知見に基づく公正な方法でエネルギーシステムから化石燃料の脱却を加速すること」と明記した。

ただし、化石燃料の「脱却」は2020年代という年限はあるものの、削減の明確な数値目標があるわけではない。再生エネは30年に110億キロワットまでに拡大するという数字があるのとは対照的だという。

寺島アナ「化石燃料廃止が消えたということですね」

藤井氏「どうせみんな真面目じゃないんだもん、CO2削減について。日本の企業だけですよ、『CO2削減だ』とか『SDGs』だなんだっつって。アメリカだってヨーロッパだって、そんなの本気でやらないんだから、化石燃料ゼロにするだなんて思ってないですよ。
でも、ガソリン車は潰したろうと思ってると思いますよ。だって、トヨタ優位の状況を変えたいから。ルノーだとか電気自動車の会社とかあるからね。だから儲け話、利益が出る話なら人類っていうのは必死になりますけど、単なる理念では残念ながら動かないですよ。『CO2減らそう』とかだけだったらね。
だから、もう一回繰り返しますけど、そこに明確なビジネスがあれば世の中は動くけど、ビジネスがないうちは動かないんだから、この化石燃料をゼロにするなんていうのはビジネスにならないですから、理念だけではそうならないですよ。だからもう日本人も『SDGsがどうだ』とか言って、なんか喜ぶのやめてもらいたいですね。だって真面目じゃないんだから、世界中が」

寺島アナ「あー、そっか、世界がね？」

藤井氏「そう。だから日本だけが馬鹿を見るんですよ」

寺島アナ「みんなが真面目にやるんだったら良いんですけどね」