ニンニクの食べ過ぎが招く「体の不調」って? 管理栄養士に聞いて分かった“リスクと適正量”
独特なにおいが特徴的な「ニンニク」。スタミナ食材としても知られており、「食べると元気が出る」「疲れると食べたくなる」と感じたことがある人もいるのではないでしょうか。さまざまな栄養素が含まれているニンニクは健康効果も注目されていますが、「体にいいから」といって食べ過ぎると、逆に体の不調を招いてしまう可能性もあるようです。そこで、管理栄養士の桜井このさんに、ニンニクの栄養素や食べ過ぎのリスクについて教えていただきました。
1日の適正量は1〜2粒程度
Q.ニンニクには、どのような栄養素が含まれているのですか。
桜井さん「ニンニクに含まれる主な成分は、疲労回復や滋養強壮の効果があるアリシン、皮膚や粘膜の生成をサポートするカロテン、骨や歯を作るリン、タンパク質のエネルギー変換ができるビタミンB6などです。また、葉酸やカリウム、カルシウム、鉄なども含まれます」
Q.ニンニクの栄養をしっかりと摂取できる調理方法はありますか。
桜井さん「先述したアリシンは、ニンニクのにおいのもとにもなっている成分なのですが、熱に弱いという特性があります。そのため、アリシンを含めて栄養素をきちんと取りたい場合は、生食やすりおろしなど、熱を通さない食べ方がお勧めです。
ちなみに『ニンニクのにおいが気になる…』という人は、アリシンの量が多いとされる芽の部分を取り除いておくと、多少はにおいを抑えられますよ」
Q.ニンニクはたくさん食べても問題ないのでしょうか。
桜井さん「ニンニクの1日の適正量は1〜2粒程度が目安とされています。アリシンは疲労回復効果とともに殺菌作用の効果も高いのですが、大量に摂取すると殺菌効果が高くなり過ぎて、人体にとってよい働きをする善玉菌などの動きまで抑制してしまう可能性があるのです。その結果、腹痛や下痢などを引き起こすこともあるので、食べ過ぎないよう注意が必要です」
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パスタや肉料理など、さまざまな料理で食べる機会が多いニンニク。疲労回復など、体にうれしい効果が期待できるようですが、栄養素を最もしっかり取れるのは意外にも「生食」なのですね。健康効果が期待できる反面、刺激も強いので、「体にいいから」といって食べ過ぎないように気を付けましょう。