ユーロ08オーストリア・スイス共催大会予選が各地で行われた7日、「B」組イタリアはホームでウクライナを相手に2−0勝利を収めた。対リトアニア戦1−1引き分け(ホーム)、対フランス戦3−1惨敗(アウェー)と厳しいスタートを切ったイタリアが予選3試合目にして初勝利を飾り、勝ち点を「4」に伸ばした。

6月30日ドイツ・ハンブルク、W杯準々決勝でイタリアに3−0完敗を喫したウクライナとはまるで違った。精神的支柱シェフチェンコを発熱で欠いたウクライナだが、エース不在を感じさせる間もない波状攻撃がゴールマウスを襲った。カンナバーロ率いる強固なDF陣との勝負をあえて避け、ミドルレンジから矢のようなシュートが何本も枠を射た。鉄壁の隙間から果敢に狙ったウクライナだったが、最後の砦GKブッフォンを貫く事は不可能だった。神懸り的なセーブ連発で混乱する味方に渇を入れ続けたブッフォンに応えるように後半25分、オッドのPKで先制したイタリアは直後の同34分にトニが追加点を挙げ一気に勝負を決めた。圧倒的に攻め込んだウクライナは失点を機に失速、“世界王者イタリア”にではなく“世界最高GKブッフォン”相手に負けた試合だった。

翌8日の現地紙はこぞってブッフォンを称賛。ガゼッタ・デッロ・スポルト紙「最も働いた選手。相手に恐怖を与える集中力」、コリエレ・デッロ・スポルト紙「全てにおいて別格。相手FWボロニンの剃刀のようなシュートを指先で弾く」と絶賛、ともに採点「7.5(10点満点)」の高得点を付けてMVPに選出した。

7月13日に就任以来初勝利を飾ったドナドーニ代表監督が「内容は完璧ではないが結果には満足」と振り返ったように、どちらが勝ってもおかしくない一戦をモノにしたイタリア。鬼神のような気迫でゴールを死守したブッフォンが、悩める勝利の女神を強引に振り向かせた。