文化放送メールマガジン（毎週金曜日配信）にて連載中のコラム「水谷加奈の劇場型恋愛体質」。
アナウンス部長・水谷アナが、日々の生活で感じたことを心のままに綴っていく。

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―12月01日（金）配信分―

若い人たちに大人気の飲食店に行く機会がありました。
ネオンが眩しい店内。いくつもの屋台が並んでいます。
ここは日本？　どこなの？　と混乱するような異国感。
昼か夜なのかもわからない。そんなカオスな状態。
満卓でにぎやかなフロア。周りの笑い声が大きすぎて自分たちの声がよく聞こえません。
スタッフたちは手元のスマホアプリを利用して淡々と注文を取っています。
特に笑顔を振りまくわけではなく、サービス精神いっぱいでもない。でも客側もそれを気にしない。
トイレに行くと、手拭きペーパーがそこらに散らかっていて掃除は行き届いていません。
まるで深夜のカラオケ店のよう……。
「ここは飲食店ではなくてエンタテインメント施設だと理解すればいいんだ」
最近そう思うことがよくあります。
金魚鉢や消火バケツに酒を入れて出す居酒屋……。
ローストビーフをうずたかく積んだような巨大な丼……。
インスタ映えするので若者たちは盛り上がるでしょう。
回転すし店は人や食を尊重するよりもコスパや回転率を重要視しています。
先日入った回転すし店は目の前に長平べったい穴があって、そこに空いた皿をガラガラ入れていくというシステム。
なんだか刑務所みたいだねとつぶやいたら、刑務所ってこんななの？と息子に言われました。
「いや、知らないけどイメージだよ」と。
さらにカウンターに小分けになった塩が薬味として置かれているのを見て息子が言いました。
「お葬式のあとにもらうやつみたいだね」
……確かに！　笑ってしまいました。
飲食店の形がどんどん変わってきています。
食べ物で遊んじゃダメと言われた世代にとってはちょっと淋しい気がしますけど。