18日に控えたチャンピオンズ・リーグのチェルシー対バルセロナの因縁対決を前に、両チームの駆け引きがすでにはじまっている。英国大衆紙『ザ・サン』は6日、チェルシーが本拠地スタンフォード・ブリッジのピッチに砂をまくことで、バルセロナのパスサッカーを封じる作戦に着手していると報じ、砂を運び込むグラウンドキーパーの写真も掲載した。さらに同紙は7日、プレミア王者の“パス封じ”作戦に対する、バルセロナ選手の反応を伝えた。

 昨シーズンは決勝トーナメント1回戦で対戦している両者。チェルシーのホームで行なわれた第1戦は、2−1でバルサが勝利を収めたが、このときもピッチは泥だらけの状態で、スペイン王者から非難の声が上がっていた。この試合に途中出場したMFアンドレス・イニエスタは、2年連続で同じ手法を使う敵将に対し、「モウリーニョのやり方は承知している。何でも好きなものをピッチにまけばいいんだ。どうせ昨年と結果は変わらない」と嫌悪感を込めたコメント。一方、昨シーズンの対戦はケガで欠場したMFシャビは、「昨年も砂まみれのピッチで勝ったけど、内容はかなりギリギリだった。パスサッカーを得意とするバルサにとって、砂をまかれるのは不利な条件になる」と警戒を強めている。

 一方、チェルシーの広報担当は、ピッチの運び込まれた砂について、「1年間に何度か行なっている整備に使う」とバルサ戦との関連を否定。さらに、「現在ピッチの排水システムを改修している。代表戦の期間に作業することで、今後はリーグでもトップレベルのピッチコンディションを保つことができる」と状況改善をアピールしている。

 昨シーズンの“重馬場”対決の再現か? それとも、美しいピッチ上でスペクタクルマッチの競演か? 因縁のリターンマッチまでの10日間、スタンフォード・ブリッジのピッチ状態には世界中の注目が集まる。