イングランド代表のスティーブ・マクラーレン監督が怒りを露にした。EURO2008予選のマケドニア戦を土曜日に控えた指揮官は6日、「代表のメンバーを決めるのは選手」との報道に対し、「事実無根で準備に支障をきたす」と激しく非難したのだ。

 4−4−2システムが主流のイングランド代表に、3−5−2システムの導入を検討しているマクラーレン。今週のトレーニングでも、2度のテストを行なったことを認めており、マケドニア戦での採用が予想されていた。しかし、一部報道では、4−4−2システムに慣れ親しんだ選手から反発の声が上がり、新システムの導入は断念する見通し、と伝えられた。これに対し、指揮官は語気を強めて反論した。

「選手がメンバーを決めるといった記事を目にしたが、非常に不愉快だ。こういった報道は準備の妨げになる。選手たちはミーティングすら行なっていない。フォーメーションとゲームプランは、コーチと相談して私が決める。選手に意見を求めることもあるだろう。しかし、すべての決定は私が下す。3−5−2を試しているのも事実だ。監督就任時にも話したが、私はこのシステムが機能すると信じている。ピッチを広く使って、中盤を支配する戦い方が私の理想だ」

 さらに、ベテランDFのガリー・ネビルも、「マケドニア戦の戦い方はまだ聞いていないよ。もちろんトレーニング内容について、監督やコーチと話すことはある。でも、選手が戦い方を決めるわけがない」と、指揮官に同調している。

 監督就任から3連勝を飾り、一定の評価を得ているマクラーレン。しかし、代表監督にビッグネームを求める声も多く、元ミドルスブラ監督に対する懐疑論はいまだ燻っている。“インポッシブル・ジョブ(不可能な任務)”と敬遠されることも多いイングランド代表監督。今回の報道は、重責を担う新監督が受けた、はじめての洗礼と言えるかもしれない。