EICMAに再展示されたSUPERVELOCE 1000 Serio Oro の魅惑ボディ!【What′s New】(What′s New)

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機能とデザインの融合次元をライバルより革新へと差をつけるアピール!

MVアグスタは、EICMA(ミラノショー)で日本でもラインアップとして発表された新しいネイキッドのRUSHに加え、昨年センセーショナルなデザインで注目を浴びたSUPERVELOCE 1000 SERIE OROが再び展示されていた。

RUSHは2024年春には日本へもデリバリーされる予定のようだが、SUPERVELOCE 1000 SERIE OROのほうは生産や発売の時期的な部分には全く触れてない。
とはいえ、再展示するからには予定の機種であることは間違いなさそうだ。

発表された概要説明など、ほぼ昨年から変わっていないが、その目を見張る造形の力強く美しい新世代を感じさせる刺激的なルックスは、依然として他にない強いオリジナリティを楽しませてくれる。

スーパースポーツとしてのパフォーマンス・スペックも変わっていない。
DOHC16バルブ4気筒の心臓部は、79mm×50.9mmのボア×ストロークの998cc、13.4対1の圧縮比から最高出力153.0kW(208HP)/13,000rpm、最大トルク116.5N-m(11.9kgf-m)/11,000rpmは発揮。
ブルターレ1000RRに搭載してきたこのエンジンには、2倍速で回転する2次振動バランサーが装着され、14,000rpmで実に54%も振動を低減している。

クロームモリブデン鋼管トレリスフレームと片支持スイングアームの車体は194kg。
ホイールベース1,415mmでシート高は845mmとなっている。

先進性へのチャレンジは、SUPERVELOCE 1000 SERIE OROを特徴づける各部や素材へも波及、リヤホイールのキャストスポークと一部ワイヤースポークとで混成する構造や、40パーツにも及ぶフォージドカーボンファイバーの軽量で強度のある新素材など、従来にはなかった要素で構成した革新的な成果が目立つ。

空気の流れを抜けと冷却に活かすMVが目指したエアロダイナミクス

アピアランス最大の特徴はいうまでもなくデザイン開発のメインテーマとなったエアロダイナミクス。
1972年に当時の世界GP500ccクラスでも、まだどのメーカーのワークスマシンにも見ることのなかったウイングを初めて装着したのはMVアグスタだった。
これに端を発しインスパイアされたフィロソフィとしてフロント両側にウイングを装備している。
このウイングは320km/hで39.2kgのダウンフォースを発生するという。

しかし最も注目すべきはアンダーカウルの先端から後方へ流速を高めるエアフロー。
前輪にはカーボンファイバー製のディスクブレーキ・カバーを装着、ブレーキ・キャリパーの冷却だけではなく、アンダーカウルへの流れはエンジンオイルの温度を最適化、さらにこのカウルに沿って外側を流れる流速全体を整える効果へ至る「抜け」をテーマとしたエアフローだ。

こうしたエアロパーツも含め、ウイング機能などが目的に見えるデザインと異なり、発想のスタートからトータルエアロダイナミクスで開発をしているレベルの高さはさすがというほかない。

タンブリーニが興したCRCとMVアグスタの奏でる斬新性に期待!

MVアグスタの復興に、カジバのカステリョーニ社長と共に人生を賭けたタンブリーニが率いるCRCチームは、彼の没後も依然としてサンマリノ共和国でデザイン工房の活動を続けていて、モーターサイクルアートとして世界で認知されたF4の功績を継承することにすべてを注ぎ込んでいる。

それはカウルや燃料タンクなどの造形のみならず、特徴的な5本スポークデザインの鍛造アルミホイールは、構造技術の開発部分から携わっていて、ユニークなエキゾーストシステム構造も開発から係わっているからこそ生まれた他で見られな取り回しとなっている。

もちろん人間工学としてのライディングポジションの可変化や、スイングアームピボットを上下4mm設定を変えられる遥かに高いエンジニアリング・レベルも、デザイナー兼エンジニアの研究者だった創始者タンブリーニからのフィロソフを守り続けている証しだという。
そんなトータルでモーターサイクルの奨励への扉を開いていくMVアグスタの今後が楽しみだ。

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