ユーロ08オーストリア・スイス共催大会出場に向け7日夜、W杯王者イタリアが首都ローマでW杯8強ウクライナと対戦する。現在1勝1分の勝ち点「1」、予選突破に向け後がないイタリアはデル・ピエロ、ザンブロッタなど主力選手を召集する必勝態勢でこの試合に挑む。

W杯王者とは言え、本大会出場は確約事項ではない。イタリアが属するB組にはフェロー諸島、グルジア、リトアニア、スコットランド、ウクライナ、フランスが揃う。AからGまでの全7組中、ドイツW杯で決勝トーナメント進出を果たした国が3ヶ国揃うのはB組のみ。また古豪スコットランドがここまで2戦2勝と好調を維持しており、混戦模様のB組はまさに「死の組」と言える。共催大会により既に出場枠が「2」埋まっている上に、各国ともW杯王者からの勝利を虎視眈々と狙っているだけに予断は許されない状況。

FWトニ、デル・ピエロなどW杯メンバー主力の召集を見送って挑んだ第1戦、対リトアニア戦では格下相手にホームでまさかの1−1引き分け。敵地パリで行われた第2戦、因縁の対フランス戦では3−1完敗を喫している。エンジン全開まで時間がかかるイタリアだが、慣らし運転にさえなっていない惨状に現地メディアからは辛辣な批判が飛んでいる。

試合前日の6日、ウクライナ代表監督が発熱を理由にチームの大黒柱シェフチェンコ欠場を明言。イタリアにとって朗報と言える絶対的エース不在に加え、81903人収容のオリンピコで戦う以上、勝利以外は許されない。「代表監督辞任も考えた」と悩める胸中を明かしたドナドーニ監督。対ウクライナ戦、そして対グルジア戦(11日)の結果次第では「辞任」が「解任」に変わる。