ユーロ08予選に向けフィレンツェ近郊コベルチャーノで合宿中のイタリア代表DFマルコ・マテラッツィ(33=インテル)が4日、W杯決勝戦で起きた“ジダン頭突き事件”を記者会見の場で語った。

7月9日、ベルリンで行われたドイツW杯決勝イタリア対フランス戦。前半7分にジダンが先制、同19分にマテラッツィが同点弾を決め1−1で突入した延長後半5分、悲劇は起きた。マテラッツィの挑発に乗ったジダンがマテラッツィの胸へ強烈な頭突き、バロンドールにも輝いた世界最高司令塔の現役最終試合はまさかの一発退場で幕を閉じた。

会見場に現れたマテラッツィは「ジダンとの面会は既にFIFA側に正式提案している。だが、この件に関してFIFA側から何も返事が届いていない。これはジダンが面会拒否している事を意味する。これでは和解など不可能、頭突き事件を忘れる事など出来ないだろう」と厳しい表情で報道陣に語った。

後味の悪いフィナーレは世界中に伝播した。決勝翌日にはジダンがマテラッツィに頭突きをしまくるゲームがネット上に流れ、中国では“頭突き”シーンをデザイン化して商標登録する者まで出現。挑発内容解明に読唇術を用いたメディアもあったが、当事者が沈黙を守っているだけに100%解明とはいかない。事態の収束に動いたFIFA会長ブラッター(70)は大会終了後「ジダンとマテラッツィの直接面談を望む」と声明を発表しているが、会長の願いは届きそうもない。