イングランド代表のMFフランク・ランパードが、代表落選に危機感を募らせている。ドイツ・ワールドカップ終了後に就任したスティーブ・マクラーレン新監督は、元キャプテンのデイビッド・ベッカムを事実上の“戦力外”とするなど、大幅な代表チーム改革を敢行。そんな指揮官の厳しい決断を目の当たりにしたランパードは、「代表の座が約束されている選手などいない」と、厳しい現実を明らかにした。

「デイビッドの落選には驚いたよ。でも、これは一種の警告なんだ。同じことは、僕にも起きるかもしれないし、ジョン・テリーが外される可能性もあるってことだ。僕は、自分のポジションが安泰だなんて思ったことはない。一番いいのは、安心しないこと。だって、僕らが選ばれているのは、イングランド代表なんだ。周りはトップレベルの選手ばかりだし、若手の台頭もある。それに、監督の態度を見ていると、代表に合流した瞬間から気を抜けない。練習中だけじゃなく、宿舎での振舞いもね。でも、代表だから、プレッシャーが大きくなるのも当然なんだ」

 また、大会を通じてノーゴールと、不本意な結果に終わったワールドカップでは、低調なパフォーマンスに批判も受けた28歳。大会終了後には、苦悩の日々が待っていたという。

「大会後に数週間の休暇があった。その期間中は、本当にいろんなことを考えた。ずっとネガティブな考えが頭から離れなかった。こんなに悩んだのは、ウェストハム時代以来だったと思う。でも、結局頭を切り替えるにはトレーニングしかないと思った。ハードワークを続けて、自分が成長するしかないと思えたんだ」

 マクラーレン政権下でも、中盤のセンターを任されるランパード。中心選手としての自覚と、代表に対するストイックなまでの想いがある限り、その名前がリストから外されることはないだろう。