不正発覚によりセリエB降格の屈辱を味わった名門ユーベ(ユベントス)。開幕戦リミニ相手に1−1、初日こそ「Bの洗礼」を受けたユーベだったがその後は破竹の勢いで格の違いを見せ付けている。セリエB第5節の行われた9月30日、ピアチェンツァ相手にFWダビデ・トレゼゲ(28)の2得点により0−2アウェイ勝利を飾ったユーベ。「−17」からスタートしたユーベは第5節終了時点で勝ち点を「−4」とした。

「審判操作」などカルチョ界最大のスキャンダルが発覚したセリエA。中心人物モッジ(当時ユーベGM)の愚行は名門ユーベに“04−05、05−06季優勝剥奪。セリエB降格、「−17」ポイントからのスタート”と厳しい判決結果をもたらした。B降格に揺れた開幕前の夏、カンナバーロ、ザンブロッタ、ビエィラ、イブラヒモビッチなどの大物が次々とチームから去った。「移籍か残留か・・・」、将来を決定付ける大事な選択に迫られていたトレゼゲにある日、人生を決定付ける電話が入った。カペッロ監督の後任として就任したデシャン監督は悩むトレゼゲに「お前が必要だ。合宿初日から参加するように」とだけ伝えて電話を切った。フランス代表を主将として支えた偉大な先輩の言葉に逆らえるはずも無かった。選択肢を与えられることなく残留を余儀なくされたトレゼゲ、活躍の場はセリエA・欧州CLからセリエBに。桧舞台で結果を出し続けた男の対戦相手は今まで耳にした事も無いクラブとなった。

トレゼゲの意地の2発により4連勝を飾ったユーベ。まずは第一目標である勝ち点を「0」に、そして最大の目標であるA昇格に向け勝ち進むしか道はない。既に5得点を挙げセリエB得点王を独走するトレゼゲが、桧舞台への連勝街道を引率する。