マンチェスター・ユナイテッドのFWウェイン・ルーニーが、居残り練習で復調のきっかけをつかもうとしている。

 今シーズン開幕のフルアム戦(8月20日)で2ゴールを奪いながら、その後3試合続いた出場停止期間で調子を落としたルーニー。以降、4試合連続ノーゴールと深刻な不調にあえぐストライカーが、居残りで調整に励む姿を、アシスタント・コーチのカルロス・ケイロスが証言している。

「チーム練習が終わっても、ウェインは残って調整を続けている。何か手を打たなければならないのは、彼が一番よく知っているんだ。まずは、不調を自覚していることが重要。毎日意識して課題に取り組むことが出来るからね。今後は、試合を重ねるごとに調子が上がっていくはずだ」

 ルーニーの不調で頭を悩ませるのは、マンUのアレックス・ファーガソン監督だけではない。イングランド代表監督のスティーブ・マクラーレンも、その一人だ。EURO2008予選のマケドニア戦(7日)とクロアチア戦(11日)を控える指揮官は、若きエースの復活を祈るような気持ちで見守っている。

「ケガと出場停止が続いて、リズムに乗れないようだ。しかし、ウェインはワールドクラスのプレーヤー。試合をこなせば、調子を取り戻すはず。代表でも、彼が最高の選手であることに変わりはない。対戦相手は、その存在だけで恐れを抱く。コンディションに問題さえなければ、私は彼を使い続けるよ」

 マンUからはFWルート・ファン・ニステルローイが去り、代表ではデイビッド・ベッカムが落選した今シーズン。チームを引っ張る大黒柱として、20歳のFWにかかるプレッシャーは増大している。真のエースへと成長を遂げるための試練。“悪童”ルーニーの真価が問われている。