故郷・茅ヶ崎市でのサザン45周年ライブにファン熱狂も地元住民は「今回も憂鬱です」…主催者は配慮のチラシを配布
2000年に、茅ヶ崎公演野球場でおこなったライブ
「生まれも育ちも茅ヶ崎の私にとって、サザンは日常であり、地元の誇りです」
こう語るのは、神奈川県茅ケ崎市に住むサザンオールスターズのファンの一人。ボーカルの桑田佳祐は同市出身で、バンドは1978年6月25日にデビュー曲『勝手にシンドバッド』をリリースして以来、2023年で45周年を迎えた。
6月24日には、桑田の母校である茅ヶ崎小学校で記念イベントが開催され、全国から集ったファン約700人が「サザン 45 おめでとう」という人文字を作り、45周年を祝った。
そして同日深夜、桑田は自身のラジオ番組『桑田佳祐のやさしい夜遊び』(TOKYO FM/JFN)で、「大発表」として「茅ヶ崎ライブ2023」を9月27日、28日、30日、10月1日の4日間、茅ヶ崎公園球場で開催することを宣言。この突然の発表に、X(旧Twitter)上では「ライブ開催ありがとう」などと、ファンは熱狂した。
当然のようにチケットは先行発売の段階で応募が殺到し、まさに争奪戦に。「一般販売もダメだった」といった多くのファンの悲鳴が集まったことから、全国47都道府県230館を超える映画館で9月30日、10月1日の2日間、ライブの模様を生中継することが決定した。
サザンが茅ケ崎でおこなうライブは、2000年の「サザンオールスターズ茅ヶ崎ライブ」と、2013年の「SUPER SUMMER LIVE 2013」以来の3回め。
10年待ち望んだライブに、地元は活気づいている。X上には《私共でも茅ヶ崎ド定番のお土産をご用意致します》《茅ヶ崎ライブの日に合わせて 新ビール発売! 茅ヶ崎サザンビール 青みかんSaisonビール》といった茅ケ崎の商店の告知や、《サザン茅ヶ崎ライブ、商店街の歓待っぶりが微笑ましいです。記念に商店街が作ったうちわ(330円也)を買いました》などという投稿が溢れ、盛り上がる様子が伝わってくる。
その一方で、本誌が取材した地元住民からはこんな声も漏れた。
「茅ケ崎公園の近所に住んでいて、これまで球場からの音がうるさかったから、今回も憂鬱です」
「1回2万人で、4日間で何万人も来るんでしょう。街が混雑してイヤ」
「サザンに悪い印象はないけれど…全国のファンが集まるからゴミの収集時間は変更になるし、交通規制もかかるので市役所に文句を言おうかと思っています」
9月に入り、ライブの主催者であるキョードー横浜は地域内で「ライブ開催のお知らせとお願い」のチラシを配布し、茅ケ崎市もホームページで交通規制やごみ収集について告知するなど、住民生活への影響をなるべく抑えるための配慮がなされている。
とにかく、メモリアルイヤーのライブが「海のYeah」と盛り上がることを期待したい。