西武池袋本店でのストライキの様子

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セブン&アイ・ホールディングス傘下の百貨店「そごう・西武」の旗艦店、西武池袋本店(東京都豊島区)で2023年8月31日、ストライキが決行された。

大手メディアが速報を出し、全国ニュースとして取り上げた。大手デパートでは約60年ぶりで、これほど話題性のあるストは、近年では珍しいと言える。若い世代にとっても衝撃的だったようだ。若者の声を拾った。

1974年は9581件、2022年は65件

厚生労働省が2023年8月23日に公表した「令和4年労働争議統計調査の概況」によると、22年のストライキ・ロックアウトなどの「争議行為を伴う争議」の件数は 65件。1974年の9581件が最多で、以降は減少傾向にある。

50年ほどで、実に147分の1に激減した件数。ゼロになったわけではないが、全国規模のものはほとんど聞かない。それでも、2000年代以降で注目を集めたストは存在する。

2004年9月のプロ野球ストライキは、多くの人が関心を寄せた。プロ野球、パ・リーグのオリックスと近鉄(当時)の合併問題が発端だ。さらに「球界再編問題」にまで議論が発展。2リーグ制12球団から、1リーグ制10球団に減らす案が浮上した。これに、労組・日本プロ野球選手会が反発。同年9月18、19日にストを実施し、公式試合は中止された。

それから10年後、2014年には首都圏の公共交通機関の相鉄バス、相模鉄道、関東バスで、運転手の賃上げを求めたストが実施された。いずれも同3月20日「始発から終電まで24時間」に及ぶストを予告。ただし「ITmedia ビジネスオンライン」同3月28日付記事によると、「関東バスは同日16時にストライキを解除。相模鉄道と相鉄バスは6時30分にストライキを解除した」という。予定よりも早い時間に決着した。

なお、3社は2009年にもストを決行している。

「リアルの声を届ける行動」に理解

J-CASTトレンドは、Z世代にストライキについてどう考えるかを取材した。

2003年生まれの女性Aさんは、「授業で習った印象が強いです」と話した。そのため、西武池袋本店のストを目の当たりにして、「日本で本当にできるんだ」という驚きがあったという。スト実施については、「仕方ないかな」とした。

2000年生まれの女性Bさんは、過去にニュースでストが行われているのを見たことがある。日本での大規模なストの実施には驚いたが、次のように意見を述べた。

「実際に働く人が抱える本音を意思表示するのは、大切だと思います。ネット上で声を上げたとしても必ずしも直接届くとは限らないので、同じ気持ち・志を持つ人が大勢集まってリアルの声を届ける行動によって、良い悪い関係なく世の中に大きく影響を与えると思います」