旅行ジャーナリスト小野アムスデン道子さんが、旅先で見つけたご当地のとびきりグルメや旅情報をご紹介。今回は、街なかの川のきれいさに驚く静岡県「三島」。足を伸ばせば子どもに優しい文学館や美術館も! 意外と近場の静岡の穴場観光スポットです。

静岡の穴場観光スポット。水辺で遊べる三島と文学とアートも子ども向けに

新幹線停車駅でもあるJR三島駅。南口を出てすぐのところには、富士山の湧き水と自然林が美しい、国の天然記念物および名勝の三島市立公園「楽寿園」があり、街のあちこちにきれいな川のせせらぎがあるのにも驚かされます。

春にはホタルが飛び交うという源兵衛川には、木のデッキや飛び石があって、子どもたちが遊んでいます。

●まるでヨーロッパのような雰囲気の「クレマチスの丘」

そんな三島駅から路線バスで、長泉町のクレマチスの丘にあるベルナール・ビュフェ美術館と長泉町井上靖文学館に向かいます。

約40分と長旅なのですが、到着すると、緑の丘に大きなお家が建っていて、まるでヨーロッパの山あいのよう。アーティストの工房も多いのだそう。2つのミュージアムは、世界的にも有名な菊竹清訓氏の設計によるもので、美しい建物です。

長泉町は、不動産会社の調査で子育てに優しい街全国5位にランクインしたこともあり、ミュージアムも子どもへの配慮がうかがえます。

ベルナール・ビュフェ美術館の中には、子どもが五感を使って遊びながら美術作品に親しめる「ビュフェこども美術館」もあります(時間帯ごとの利用で事前予約が必要)。

・ベルナール・ビュフェ美術館 https://www.clematis-no-oka.co.jp/buffet-museum/

井上靖の『しろばんば』を教科書で読んだ人も多いかと思いますが、彼は少年時代の一時期を三島でも過ごしています。

文学館では児童用に井上靖についてわかりやすい小冊子を作ったり、作品に出てくる一節に興味が引かれる工夫をした展示がされていました。

2階には自由に本が読めるスペース「ミュージアムライブラリー」もあって、子どもが楽しく時間を過ごせそう。

・長泉町井上靖文学館 https://www.town.nagaizumi.lg.jp/soshiki/syogai/3/2/inouemuseum/index.html

●古民家をリノベーションしたビストロでクラフトビールを

文学とアートの旅を楽しんだら、三島駅周辺のグルメも要チェック。古民家をリノベーションしたビストロ「allez(アレ)」の奥にある「fete三島醸造所」。

静岡のきれいな水を使って醸造したクラフトビールが飲めます。ハッピーアワーには、ビストロの洒落た一品とビールのお得なセットも。

・fete三島醸造所 https://fete-mishima.com/

●三島といえばの絶品グルメ「うなぎ」

最後に三島といえば…うなぎ。富士山の湧き水にさらし、泥や生臭さを消して調理されるうなぎは絶品です。

数多い名店の中から駅前の「うなぎの坂東」で、うなぎの蒲焼半串と肝焼きの組み合わせ(2,970円)を注文。帰路に着く前に、備長炭で焼き上げた香ばしいうなぎを食べて大満足の静岡・三島の旅でした。

・うなぎの坂東 https://www.unagi-bandou.com/