寒さに弱い多肉は春〜秋が寄せ植えの最適シーズン。今回は、初心者におすすめの寄せ植えの方法を、園芸デザイナー・三上真史さんに教えてもらいました。表面を固める土を使い、鉢の底に穴があいていない器でも、多肉植物が根腐れしません!

多肉植物の寄せ植えは好きな器で手軽につくれる

葉や茎に水分を含み、ぷっくりとした姿がかわいい多肉植物。

「通常は底に穴があいた鉢で育てますが、専用の土を使えば、どんな器でも寄せ植えできます。インテリアに合わせた器でぜひ」

インスタでも大ブーム! 多肉植物やビカクシダを飾って楽しんでいる投稿です。

 

多肉植物の寄せ植えをつくろう

寄せ植え用の器

固まる土を使うので、ブリキ缶やココット皿など家にある底に穴がないものを自由に選んでよい。

多肉植物用の土

寄せ植えのベースに使う多肉植物用の土。水はけがよく、根腐れを防げる。

・多肉植物&ミニ観葉の土 1リットル385円(花ごころ)

固まる土「ネルソル」

多肉植物寄せ植え用の特殊な土。粘着成分で固まるから、土がこぼれることなく水きりができる。

・ネルソル 1リットル 660円(吉坂包装)

多肉植物の苗(3〜6個)

「春秋型」の苗が初心者向き。成長期が同じ品種で寄せ植えると失敗が少ない。各100〜1000円程度。

●多肉植物の選び方ポイント

多肉植物を「木・花・芝」に見立てて分けて選びましょう。

高さを出す「木」

茎が伸びやすく、高さのあるものを加えると立体感が出ます。今回はオーロラ(右)と宝珠(左)を使用。

中心になる「花」

バラの花のような「ロゼット型」が人気。今回はエケベリア属アンジェラ(右)とケラリアン(左)を使用。

ボリュームを出す「芝」

セダム属を代表する、小さな草のような種類。異なる色味、質感、形を寄せ植えるとおしゃれ感がアップ。

●下準備:固まる土をつくる

(1) 水を入れて軽く混ぜて20分待つ

「ネルソル」1リットルに対して水400mlを注ぎ、軽く混ぜる。

「土に粘りが出るまで20分ほど待つのがポイント」

(2) こねるようにしっかり混ぜる

20分後、こねてよく混ぜる。土がネバネバした感触になってきたら、土の準備は完成。

●step1:器に多肉植物用の土を入れる

器の3分目ぐらいまで、多肉植物用の土を入れる。

「園芸店で売られている水はけがいい多肉植物用の土ならなんでも大丈夫!」

●step2:多肉植物をポットから出して土を落とす

苗をポットから取り出し、根をほぐすように土を落とす。

「苗ポットに入っていた土は使わず、新しい土にした方がよく育ちます。ここで株を分けておくと寄せ植えしやすくなります」

・ポットから外すコツ

ポットを動かす。

片手で優しく苗を包み込み、ポット側を動かしながらそっと外す。

「苗を引き抜くような取り出し方はNG」

植物の苗は傷つけないように気を付けて。

●step3:多肉植物をバランスよく入れる

高さのある「木」は奥、中央に「花」、手前の隙間を「芝」で埋めるように寄せ植える。

「同系色でまとめるより、カラフルにした方が見栄えがグッド! ピンクや黄色をアクセントに」

・株を小分けして散らすように入れる

多肉植物の根は強いので、大胆に小分けしてもOK。

「バランスを見ながら、散らして植えましょう」

●step4:「固まる土」を表面に入れて仕上げる

器に入れた多肉植物用の土をおおうように、下準備しておいた「固まる土」を入れる。

「粘り気があるので扱いが簡単。グラグラしていた植物も、この土を入れると安定感が増します」

中央部の隙間にも土を押し込むように。ピンセットを使ってもOK!

●完成!

2〜3日おいて、土が完全に乾燥したら完成。

「乾いてから、たっぷりと水やりを。水やり後は『水きり』を忘れずに」

表面の土が固まっているので、「水きり」は器を傾けて余分な水を捨てればOK。

この記事で紹介している商品は、取材時(2023年3月13日)に販売されていたものです。店舗により価格や取扱商品は異なります。仕入れ状況によって同じ商品がない場合やすでに販売終了している可能性もありますので、ご了承ください。