夫婦それぞれに部屋が住まいになくても、ちょっとした専用の収納スペースをもつことで、暮らしやすさが向上します。夫婦がそれぞれ別の趣味を持つ日刊住まいライターは、階段下や壁の一部をくり抜いて収納スペースを確保。互いが干渉しない「自分の場所」を持つことに成功しました。子ども部屋のデットスペース活用方も合わせて、詳しく語ります。

趣味の多い4人家族。デッドスペースも収納に!

筆者は妻と子ども2人(9歳と6歳)の4人家族。家づくりの際に、28社のハウスメーカーを見学。2年前に地元工務店で、2階建ての注文住宅を建てました。

家づくりでは、まず収納をしっかりと確保しようと考えました。そこで工務店には、玄関の土間収納や2階のホールの押入れ収納、夫婦のクローゼット、小屋根裏収納をつくって欲しいを伝えました。

しかし、休日は家族でキャンプ、スノーボード、ロードバイク、SUPなどを楽しんでいるわが家。趣味の多さからものが多くて、要望したスペースだけではたりそうにありません。

そればかりか、提案された図面を見ると、夫婦それぞれの趣味のものを収納するスペースが、確保できていないことに気づきました。

そこで図面を改めてチェック。すると階段下や壁の厚さ、くぼみといったデッドスペースを発見。これらの場所を活用して、収納を増やせないか工務店に相談しました。

結果、夫婦の収納スペースだけでなく、子ども部屋にまで収納スペースを増やすことに成功。デッドスペースを利用したことで、住み始めてからも、新たに家具を用意することなく、収納することができています。

 

階段下のデッドスペースには、妻の使うものを収納

階段下の部分を利用して奥行80×幅80×高さ200cmの収納をつくりました。こちらは妻の本やカバン、ミシンなど、妻が利用するものと、掃除機などの収納場所としています。

スタンド掃除機を収納する予定だったので、充電用のコンセントを設置。また、収納するものによって高さを変えられるように、可動棚を採用しています。

 

設計時から、妻のカバン類を引っかけて収納することを想定していました。バーハンガーをつけて、使いやすい高さで、いろいろなものをぶら下げることができるようにしています。

ちなみに、わが家には妻専用の部屋はなく(筆者の部屋もありませんが)、ここを妻の場所としています。「自分のものを、なんでも入れておけるので便利」と妻も言っています。

階段回りの壁を利用して、夫のお気に入りの本棚に

わが家には筆者の書斎も、妻の部屋もありません。なので、妻の雑誌は階段下のデッドスペースに収納しています。一方、筆者のマンガと文庫本は、2階の階段回りの壁に収納。わずかな壁の奥行き部分をくり抜くようにしてつくった本棚です。

幅40cm×奥行12×高さ230cmの収納が縦に2列あります。棚は可動式にしたので、本がきれいに収まります。

壁の厚さの関係で奥行きが12cmしかとれなかったため、コミック本以外は少しはみ出てしまいます。とはいえ、たっぷりの本が収納できて、とても役に立っています。

また、2階で使うためのインターホンの子機もこちらに置いています。ただ、ここに置くといいと気づいたのは住んだあと。ですから、棚の中にコンセントはありません。つけておけばよかったと後悔しています。

結局、棚の横のコンセントに差すことに。残念ながらケーブルが棚から飛び出し、だらんと垂れてしまっている状態です。

 

狭い子ども部屋も、壁を利用した収納で家具いらずに

子どもたちのためにつくった、デッドスペースを活用した収納も紹介しましょう。

写真は、子ども部屋の入り口付近の壁をくり抜いてつくった、可動の収納棚です。サイズは幅60×奥行25×高さ230cm。

まだ子どもは、部屋をひとりで使える年齢ではありませんが、ここには絵本やオモチャをしまっています。将来、子ども部屋でタブレットなどを利用することも考えて、充電できるよう棚の中にコンセントも設置しています。

子どもが部屋を利用することになったら、きっと大活躍すると思っています。このデッドスペースの収納のおかげで、新たに本棚を購入しなくてすみそう。狭い部屋を広く使えることにもなるので、よかったと感じています。

2年間住んでみてデッドスペースを有効活用して収納をつくったことは、大正解であったと感じています。

わが家の場合、夫婦それぞれの部屋がつくれませんでした。しかし、夫婦それぞれの収納スペースを持てたことで、今のところ、不便を感じることはありません。自分のスペースだから、使い方についてお互いが干渉することもなし。精神衛生上、とても快適な趣味時間を楽しめています。