ペロリと出した舌が印象的な、不二家のマスコットキャラクター・「ペコちゃん」。その愛らしさは幅広い世代から人気を獲得し、認知度で国民の8割越えだと言われています。しかし、「ペコちゃん」の存在は知っていても、細かいプロフィールについては意外と知らないという方も多いのでは?

ペコちゃんの気になる疑問を不二家に聞いてみた!

そこで今回は、「ペコちゃん」の魅力に改めて迫るべく、株式会社不二家の広報・土橋美紀さんと、洋菓子事業本部 マーケティング部の大坂光さんにインタビュー。改めてペコちゃんの歴史を紐解いたほか、日本はもちろん、海外からも人気が高いグッズ専門ショップ「Peko chan House ペコちゃんのおうち」についてお聞きしました。

●誕生のきっかけは「張り子の人形」

ペコちゃんの歴史は古く、誕生したのはなんと1950年! もともとミルキーの販促キャラクターとして温められていましたが、ミルキー発売より1年前に不二家の洋菓子店の店頭人形としてデビューしました。

土橋さんによると、ペコちゃん人形の設置の裏には、戦後の荒廃した街に「うるおい」や「癒やし」を与えたい、という思いが強くあったと言います。

「ペコちゃん誕生は、2代目社長の藤井誠司が日劇の舞台を観劇して、そこに登場していた張り子の人形を参考に、『不二家の店頭にも置いたらどうか?』ということで人形ができたと聞いています。

初代店頭ペコちゃん人形は銀座六丁目の店舗です。ぺろりと出した舌に、ゆらゆらゆれる頭がかわいいいと一躍人気者になりました。評判もよかったので、その後全国の洋菓子店に設置が広まり、その翌年にミルキーのパッケージに登場したんです」(土橋さん)

ちなみに「ペコちゃん」の名前は、子牛の「べこ」を西洋風にアレンジしたもの。現在では「不二家の顔」として、ミルキーだけではなく、ポップキャンディなどさまざまなお菓子のパッケージに登場。1951年に登場したボーイフレンドのポコちゃんや、1995年誕生の犬のドッグなども、同じく不二家には欠かせない存在となっています。

そしてペコちゃんと言えば、印象的なのがそのデザイン! なにか決まったペコちゃんのデザインの定義があるのでしょうか。

「1980年代初頭ぐらいまでは、とくに決まりのようなものがなかったので、いろんなテイストのペコちゃんがいました。したがって、よちよち歩きをしていたり、大人っぽかったり…(笑)。しかし、1982年にペコちゃんの基本デザインをまとめたペコマニュアルが完成しまして、1995年と2008年の改定を経て、今のオーソドックスなペコちゃんができました。

ただ、マニュアルのペコちゃんを基本としつつも、表情やポーズ、服装などいろんなペコちゃんが登場しているので、“ペコちゃん探し”をしてみるのもいいかもしれませんね」(土橋さん)

●ペコちゃんはなぜ舌が出ているの?

そしてペロリと出た舌はトレードマークですが、デザインに由来があるのかは気になるところ。土橋さんにその理由を尋ねると、「正直なところ、じつは分かってないんです…」と、衝撃の答えが…!

「子どものかわいらしさを現しているとか、おいしいお菓子を食べているから、など諸説はあるのですが、じつはそういったものが書かれている資料は残っていないんです…。舌の向きにも決まりはなくて、そのときどきのデザインのバランスによって変わっています。ただ、店頭に置いてある人形については、右側(向かって左)に舌が向いている形になっていますね」(土橋さん)

今まで謎に包まれていたペコちゃんの舌。しかし、その理由が知られていないのには、ちゃんとした理由があったんですね!

「ちなみにペコちゃんは赤いオーバーオールとリボンのイメージがあると思うんですけど、ミルキーのペコちゃんは、リボンやオーバーオール、瞳の色も青で、社内ではミルキーペコと呼ばれたりしていますよ」(土橋さん)

●その人気は国内にとどまらず、海外からも注目!

変わることなく人気者であり続けるペコちゃん。昨年は銀座 数寄屋橋にペコちゃんのグッズを専門で取り扱う「Peko chan House ペコちゃんのおうち」がオープンしました。こちらには、日本のみならず、海外の方も多く訪れるそうです。

「とくに韓国や中国の方に多くファンがいらっしゃいますね。韓国では人気があるということでライセンス展開。中国ではポップキャンディを販売していますが、それもペコちゃんの人気もあって、売り上げを伸ばしています」(土橋さん)