スタイリスト・山本あきこさんの人気連載。「もしかしてファッション以前？」という素朴な疑問から、「この服のスタイリングはどうしたらいい？」という現実的な着こなしまで、大人の女性の「それ、あるある！」というおしゃれのお悩みにお答えしていきます。

デニムってだれにでも似合うものじゃないの？

みなさん、こんにちは。突然ですが、最近「デニム」って履いていますか？　20代、30代の頃は、「デニムは合わせるものを選ばないから、1本あると便利」という感じで、ラフに着れば似合うアイテムだったのではないかと思います。

ところが40歳を過ぎるとデニムを履くとなんとなく野暮ったく見えたり、逆におばさんぽく見えたり…。私のところにも、「どうやって履いたらいいかわからない」というお悩みがよく寄せられます。でも大丈夫、40代だってデニムをまだまだすてきに履けます！　今回はそんなお話をしていきたいと思います。

 

●大人っぽいデニムスタイルが難しい！

店頭で見かけて「やっぱりデニムっていいな」と思っても、いざ自分が履いて、鏡の前に立つと「あれ？」ということ、ありますよね。デニムは履きやすく便利なアイテムですが、40歳オーバーの大人が着るには少し注意が必要です。

似合わなくなる原因の1つは「体型」。若い頃と同じ体重であっても、シルエットは少しずつ丸みを帯びたラインに変わっています。この状態でピタピタのデニムをはいてしまうと、どうしても野暮ったい印象になってしまうのです。

もう1つの原因は「顔とのミスマッチ感」。最近は若々しい40代が多いとはいえ、それでも「40代くらいかな」という大人の女性が、20代とまったく同じような「ザ・カジュアル」な格好をしていたら、見る側は違和感を覚えてしまいます。「カジュアル感はあるけれど、年相応の落ち着きもある」着こなしこそ、私たち40代が目指すべきデニムスタイル。それにはどうしたらいいかを見ていきましょう！

●デニムは「スラックス」のつもりでキレイに合わせる

（1）　脚のラインが出ないセミワイドシルエットを選ぶ

まず、今デニムを買うなら、シルエットはストレート、太さはセミワイドくらいのものを選ぶのがおすすめ。ある程度ゆとりのあるサイズ感で、ピタピタしていないことがポイントです。これなら、脚のラインもあらわになりません。大人はあまりボディラインをあからさまに見せない方が上品な印象を与えられます。

また、ぽっこりお腹が気になるからといってローライズを選ぶのはおすすめしません。ハイライズやミドルライズのほうがバランスがよく見えますし、お腹はデニムにのせるより収めた方が◎。気になる場合は、補正下着を着用するものあり。

 

（2）　ジャケット、シャツ、アクセサリーetc…　キレイめアイテムと合わせる

私たちはついつい「デニム＝カジュアル」と思いがちですが、40代からのデニムは少し考え方を変えてみて。大人っぽく上品なスタイリングをするためには、「デニム＝スラックス」だと思ってコーディネートするとうまくいきます。

スラックスに合わせると思えば、おのずと選ぶのはシャツ、ブラウス、ジャケット…などキレイめなアイテムに手が伸びるはず。ネックレスやピアスなどのアクセサリーもきちんとつけることで、デニムのコーデの格が上がり、上品に見えてきます。

 

●40代、大人の正解デニムコーデ2つ

ということで、正解コーデはこちら！

左は、ストレートデニムにきれいめシャツを合わせた例。パールネックレスのような上品なアクセサリーを合わせることで、40代らしい落ち着いた雰囲気の着こなしに。

右は、太めのバギーデニムに黒いブラウスを合わせた例。Tシャツだとカジュアルすぎる印象になってしまいますが、華やかなブラウスなら、品のある大人の着こなしに見えてくると思います。足元がサンダルであることもポイント。

「デニムにはスニーカー」と思いがちですが、「デニムを大人っぽく上品に履きたい」と思ったら、足元はなるべく華奢な、女性らしいアイテムを選んだ方がうまくいきます。ペディキュアをキレイに塗った素足がチラリと見えるのもすてきですよ。

●ジャケット合わせなら間違いなし！

私のある日のデニムコーディネートはこんな感じ。デニムにTシャツだけではカジュアルになりすぎてしまいますが、ジャケットを羽織ったり、キレイめなレザーバッグを合わせることで落ち着きのある雰囲気になっているのではないかと思います。デニムは、20代、30代とは違う着こなしを工夫するのも大人のおしゃれのひとつ。ぜひ、これからもデニムを楽しんでいただけたらと思います。