合計9ゴールの打ち合いを制したのは札幌! 後半AT田中の決勝弾で劇的勝利
[6.3 J1第16節 柏 4-5 札幌 三協F柏]
3日、J1第16節が各地で行われ、三協フロンテア柏スタジアムでは柏レイソルと北海道コンサドーレ札幌が対戦。前半から5ゴールが生まれた試合は、5-4で札幌の勝利に終わった。
井原正巳監督体制で公式戦4試合目(1分2敗)を迎える、15位・柏(勝ち点12)。前節・川崎F戦(●0-2)で、脳しんとうの疑いで途中交代となったDF立田悠悟がメンバー外となり、DF土屋巧が8試合ぶりに先発入り。FWフロートも8試合ぶりにスタメンを飾った。
前節は名古屋に1-2で敗れて、連勝が3で止まった8位・札幌(同22)は、名古屋戦から先発2選手を変更。MF中村桐耶が5試合ぶり、MFルーカス・フェルナンデスが7試合ぶりに先発に入ったほか、2試合連続得点中のMF金子拓郎らが並んだ。
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試合は立ち上がりからリーグ最多得点タイの攻撃力(32得点、第15節終了時)を誇る、札幌のペースで進む。ピッチを広く使いながらボールも人も動かす札幌は、10分、敵陣で押し込む中で、ペナルティエリアのMF駒井善成が外にいるMF荒野拓馬に丁寧に落とすと、荒野のミドルシュートがゴール左に刺さり、札幌が先制に成功する。
これまでリーグ最少得点(9得点)の柏だが、すぐさま反撃に出る。15分、MF高嶺朋樹が相手の背後を狙った浮き球を送ると、札幌の2選手の頭に当たったボールは、ペナルティエリアのMF戸嶋祥郎へ。ゴール至近距離から戸嶋が振り抜くと、ニアサイドを抜いて柏が試合をふりだしに戻す。
試合はさらにハイテンポで進む。前半18分、荒野が左サイドへ大きく展開すると、MFルーカス・フェルナンデスのパスを受けた駒井が、柏守備陣をドリブルで切り裂き、右足でゴールに流し込んで、再びリードを奪った。
同31分には、MF浅野雄也が右サイドからカットインして左足でシュート。GK松本健太が反応を見せたが、こぼれ球をFW小柏剛が押し込み、3-1。札幌のリードは2点に広がった。
守備の時間が長くなっていた柏だったが、同34分、札幌のCKをしのいでカウンターを発動。自陣からドリブルで持ち上がったFW小屋松知哉が、GK菅野孝憲との1対1を制して、柏が1点差につよめった。
ハーフタイムに柏は交代を行い、MF椎橋慧也に代えてDF三丸拡を投入、布陣を5-3-2にシフトした。すると8分、DF片山瑛一が敵陣でボールを奪うと、すぐさまゴール前のFW細谷真大へつける。細谷はボールをコントロールすると、右足で流し入れて柏が同点に追いついた。
それでも札幌は18分、MF浅野雄也の左CKから、クリアボールをMF金子拓郎が左足を一閃。金子の3試合連続ゴールで、札幌が勝ち越した。
ところがアディショナルタイム1分、途中出場のFW武藤雄樹が押し込んで同点に追いつく。
ドラマはその後に待っていた。アディショナルタイム3分、札幌のDF田中駿汰がゴールネットを揺らす。副審はオフサイドフラッグを挙げていたが、VARの介入後にゴールが認められる。札幌が2試合ぶりに勝利し、勝ち点3を獲得した。
(取材・文 奥山典幸)