山田祥平のニュース羅針盤 第387回 ASUSの携帯ゲームPC「ROG Ally」、ビジネスワークに使わない手はない
ASUSが約608gのWindowsパソコンを発表した。
パソコンといっても一般的なクラムシェルノートPCではない。ポータブルゲーム機「ROG Ally」だ。とりあえずはゲームのためのパソコンということになっている。すでに台湾で発表済みの製品ではあるが、日本での発売が追って決まったそうだ。
れっきとしたパソコンなので、Windows 11 Homeを搭載し、さまざまなゲーム配信プラットフォームのゲームに対応、しかも、Windowsは昨秋からAlndroidアプリも動かせるようになったので、Androidゲームについても遊べる。
![](https://image.news.livedoor.com/newsimage/stf/6/2/629be_1223_dc1ab14affc8b7c75296ed96352e2c80.jpg)
ASUSが発表した「ROG Ally」。Windows 11 Homeを搭載し、さまざまなゲーム配信プラットフォームのゲームに対応している。右側のデバイスは外付けGPUモジュール製品「XG Mobile」
○ゲーム機がゲームのために使われるとは限らない
昨今のトレンドとしては、「ゲーム用パソコン」というイメージに少し変化が起こっている。
七色に光るというのがゲーム用パソコンではなくなりつつある。というのも、ゲームをするためのPCも、ビジネスに使われるPCも、そして、アーティストが作品作りに使うPCも、汎用機としてのWindows PCなので、その基本的な部分はまったく同じだからだ。
だから、ゲーム機がゲームのために使われるとは限らない。ゲーム機の高いスペックをクリエイティブワークに使うアーティストは多いし、カジュアルなゲームをビジネスPCで楽しむユーザーもいる。逆の言い方をすると、こうしたプラットフォームをゲームのためだけに使うというのは、ちょっともったいない。世の中がようやくそのあたりに気がついてきたようにも感じる。
そんな野次馬的な感覚でこの製品を見ると、意外にビジネスにもバリバリに使えるんじゃないかと思った。なにより、メモリ16GBに512GBストレージ、そしてディスプレイはタッチ対応高速フルHD液晶で、DP Altモード対応のUSB Type-Cポートを実装。そのあたりに注目すれば、ビジネスに使わない手はないといわんばかりだからだ。
![](https://image.news.livedoor.com/newsimage/stf/9/2/92ff7_1223_1dd851aee0b484e789943a5bca11c473.jpg)
開発にあたり試作されたモック群。どう快適にグリップするかで検討が重ねられた
○608グラムのなかに高性能を詰め込む
もちろんメーカー側のASUSとしてはそんな余計なことは言わない。筋金入りのゲーミングPCとして売る。
だが、普通にドライブを楽しむクルマであってもセダンにクーペ、SUV、ハッチバックなどいろいろで、雪道や砂漠を一度も走ったことがなく、街中ばかりを徘徊するジープだってたくさんあるわけだ。高性能なPCは、何に使っても快適に仕事や遊びができるし趣味にも活かせる。
その高性能を608グラムのコンパクトな筐体に封じ込めたのはいい仕事だ。得意先でのプレゼンにこのPCを使ったら確実に注目を集めることができる。普通のビジネスワークのためには、このサイズに無理に文字入力用のQWERTYキーボードを実装してしまうよりも、自分で使いやすいBluetoothキーボードやマウスなどを組み合わせて使った方がよさそうだ。
![](https://image.news.livedoor.com/newsimage/stf/e/8/e88a8_1223_31337746299c1d747281276ff8daf90a.jpg)
ROG Allyにキーボードとマウスを組み合わせた例。USB Type-Cケーブルでディスプレイともつなげられる
○外付けGPUで最強クラスのゲーミングPCにも変身
ASUSにはROG XG Mobileという持ち運びができる外付けGPUモジュール製品がある。ROG Allyにこの製品を接続すれば最強クラスのゲーミングPCに変身する。というのも、最大150WのクラスのNVIDIA GeForce RTX 4090 Laptop GPUを外付けすることになるからだ。
ROG XG MobileはASUS独自規格バスでの接続になるが、本当はここがThunderbolt 4などの標準規格での接続ならもっとよかったのにとも思う。だが、そこに目をつぶれば、GPUの拡張のみならず、USB、SDカード、有線イーサネットなど、それこそビジネスPCに求められるあらゆる要素が後づけできるのだ。
そこまでやらないにしても、最近は、USB-Cのドッキングステーションやハブなどのバリエーションも増えてきていて、実装されたポートの数や種類の少ないPCであっても、それらを使って自在に拡張することができる。充電についてもUSB-CのUSB PDで、互換性の心配がないだけに惜しいところだ。パソコン選びのツボが少しずつ変わってきているといえそうだ。
![](https://image.news.livedoor.com/newsimage/stf/1/1/114fd_1223_04eb6b12f1c9c748a19aecfd4e911889.jpg)
著者 : 山田祥平 やまだしょうへい パソコン黎明期からフリーランスライターとしてスマートライフ関連の記事を各紙誌に寄稿。ハードウェア、ソフトウェア、インターネット、クラウドサービスからモバイル、オーディオ、ガジェットにいたるまで、スマートな暮らしを提案しつつ、新しい当たり前を追求し続けている。インプレス刊の「できるインターネット」、「できるOutlook」などの著者。■個人ブログ:山田祥平の No Smart, No Life この著者の記事一覧はこちら
パソコンといっても一般的なクラムシェルノートPCではない。ポータブルゲーム機「ROG Ally」だ。とりあえずはゲームのためのパソコンということになっている。すでに台湾で発表済みの製品ではあるが、日本での発売が追って決まったそうだ。
れっきとしたパソコンなので、Windows 11 Homeを搭載し、さまざまなゲーム配信プラットフォームのゲームに対応、しかも、Windowsは昨秋からAlndroidアプリも動かせるようになったので、Androidゲームについても遊べる。
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○ゲーム機がゲームのために使われるとは限らない
昨今のトレンドとしては、「ゲーム用パソコン」というイメージに少し変化が起こっている。
七色に光るというのがゲーム用パソコンではなくなりつつある。というのも、ゲームをするためのPCも、ビジネスに使われるPCも、そして、アーティストが作品作りに使うPCも、汎用機としてのWindows PCなので、その基本的な部分はまったく同じだからだ。
だから、ゲーム機がゲームのために使われるとは限らない。ゲーム機の高いスペックをクリエイティブワークに使うアーティストは多いし、カジュアルなゲームをビジネスPCで楽しむユーザーもいる。逆の言い方をすると、こうしたプラットフォームをゲームのためだけに使うというのは、ちょっともったいない。世の中がようやくそのあたりに気がついてきたようにも感じる。
そんな野次馬的な感覚でこの製品を見ると、意外にビジネスにもバリバリに使えるんじゃないかと思った。なにより、メモリ16GBに512GBストレージ、そしてディスプレイはタッチ対応高速フルHD液晶で、DP Altモード対応のUSB Type-Cポートを実装。そのあたりに注目すれば、ビジネスに使わない手はないといわんばかりだからだ。
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○608グラムのなかに高性能を詰め込む
もちろんメーカー側のASUSとしてはそんな余計なことは言わない。筋金入りのゲーミングPCとして売る。
だが、普通にドライブを楽しむクルマであってもセダンにクーペ、SUV、ハッチバックなどいろいろで、雪道や砂漠を一度も走ったことがなく、街中ばかりを徘徊するジープだってたくさんあるわけだ。高性能なPCは、何に使っても快適に仕事や遊びができるし趣味にも活かせる。
その高性能を608グラムのコンパクトな筐体に封じ込めたのはいい仕事だ。得意先でのプレゼンにこのPCを使ったら確実に注目を集めることができる。普通のビジネスワークのためには、このサイズに無理に文字入力用のQWERTYキーボードを実装してしまうよりも、自分で使いやすいBluetoothキーボードやマウスなどを組み合わせて使った方がよさそうだ。
![](https://image.news.livedoor.com/newsimage/stf/e/8/e88a8_1223_31337746299c1d747281276ff8daf90a.jpg)
○外付けGPUで最強クラスのゲーミングPCにも変身
ASUSにはROG XG Mobileという持ち運びができる外付けGPUモジュール製品がある。ROG Allyにこの製品を接続すれば最強クラスのゲーミングPCに変身する。というのも、最大150WのクラスのNVIDIA GeForce RTX 4090 Laptop GPUを外付けすることになるからだ。
ROG XG MobileはASUS独自規格バスでの接続になるが、本当はここがThunderbolt 4などの標準規格での接続ならもっとよかったのにとも思う。だが、そこに目をつぶれば、GPUの拡張のみならず、USB、SDカード、有線イーサネットなど、それこそビジネスPCに求められるあらゆる要素が後づけできるのだ。
そこまでやらないにしても、最近は、USB-Cのドッキングステーションやハブなどのバリエーションも増えてきていて、実装されたポートの数や種類の少ないPCであっても、それらを使って自在に拡張することができる。充電についてもUSB-CのUSB PDで、互換性の心配がないだけに惜しいところだ。パソコン選びのツボが少しずつ変わってきているといえそうだ。
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