統一地方選挙は後半戦に入り、各地で論戦が交わされていますが、一方で選挙をしても定数割れし無投票で自治体のトップや議員が決まる場面が全国各地で見受けられます。政治家のなり手不足が深刻な状況になっています。

18日に告示された芳賀町の町議会議員選挙。定数は14。しかし、立候補を届け出たのは12人で定数に届きませんでした。芳賀町では今回の統一地方選挙で町議会議員選挙のほか町長選挙、県議会議員選挙が無投票になっています。芳賀町議を4期務め今月で引退する小林俊夫議長。有権者が一票を投じる機会を失い無投票が続いていることについて「選ばれて議員。無投票はなくなってほしい」と話します。

全国では今回の統一地方選挙で立候補者が定数に満たなかった議員選挙は14の市と20の町と村でありました。合わせて1487人が無投票で当選しています。県内では芳賀町のほか市貝町でも議員選挙が無投票になり、特に人口が少ない地域で政治家のなり手不足が深刻になっています。

行政学が専門の中央大学・佐々木信夫名誉教授は「地方議会は国会をモデルにしすぎてフルタイムの職業のようになってしまっている。身近な地方自治では市民感覚に沿った常識があれば十分で、企業の立候補者の休職制度や性別や年齢別に一定の枠をつくるクオータ制の導入など根本的な改革が必要だ」と強調します。

#2023とちぎ統一地方選