マンチェスター・シティのCLバイエルン戦快勝劇 ロドリは先制シーンでなぜシュートまで持ち込めたのか
Question
ロドリがボールを受けたあと、フィニッシュまでどのように崩したか?
UEFAチャンピオンズリーグ準々決勝第1戦、マンチェスター・シティ対バイエルンが行なわれ、ホームのマンチェスター・シティが3−0で勝利した。
優勝候補同士の対戦となった初戦は、攻守の入れ替わりの激しい戦いとなった。ボールを握ることが得意な両者だが、チャンスはそのボールを奪ったカウンターから生まれた。前半の27分、そのカウンターの流れからロドリが決めてマンチェスター・シティが先制に成功。前半を1−0で折り返した。
後半に入ってしばらくは膠着状態が続いたが、マンチェスター・シティは70分、相手のボールを高い位置で奪い、ベルナルド・シウバが追加点を奪う。そして76分、CKの流れからアーリング・ハーランドがダメ押しとなる3点目を決めて、マンチェスター・シティが3−0で第1戦をものにした。
今回は、マンチェスター・シティの先制の場面を取り上げる。
前半27分、カウンターの流れからベルナルド・シウバが右サイドでボールをキープ。そして中央でフリーになったロドリへパスを送る。
中央でボールを受けたロドリは、どのようにしてシュートまで持ち込んだか
次の瞬間、後方からジャマル・ムシアラがプレスに来るなか、ロドリはどのようにシュートまでいったかというのがQuestionである。
Answer
縦への選択肢を囮に切り返し、中央へ運んでミドルシュートを決めた
マンチェスター・シティのロドリが、芸術的なミドルシュートを決めた場面である。利き足とは逆の足で決めるシュート技術の高さはもちろんだが、そこまでの駆け引きと、バイエルンの犯したミスについても注目したい。
ロドリは縦方向のプレーを囮にしてからの切り返しでムシアラをかわし、左足でミドルシュート
このシーンは、マンチェスター・シティのカウンターの流れから生まれている。バイエルンの選手はほとんどの選手が自陣に戻り、押し込まれた状態だった。
ベルナルド・シウバが右サイドでドリブルを仕掛けようとするが2人に囲まれ、ボールを後方に戻した。この時、バイタルエリアにはセルジュ・ニャブリが戻っていた。
しかし、ボールがジョン・ストーンズに戻されると、ロドリがバイタルエリアにいるにもかかわらず、ニャブリはそのエリアを離れて前線へ戻ろうとした。これが大きな判断ミスとなった。
次の瞬間、ストーンズからボールを返してもらったベルナルド・シウバは、中央で完全にフリーとなったロドリへグラウンダーのパス。それに気がついたムシアラが、全速力でプレスバックした。
この時のロドリの駆け引きが巧みだった。背後から迫るムシアラは、ロドリのミドルシュート、あるいはGKとDFの間に差し込まれるパスを読んで、中からコースを切りにいった。しかし、ロドリはムシアラの逆を取るように切り返し、中央へボールを運ぶと左足でファーサイドへ巻いた鮮やかすぎるシュートを沈めた。
ロドリがどの瞬間にムシアラを認識したかは定かではないが、最初の選択肢を囮にムシアラをかわし、ミドルシュートまで持っていく見事な技術と判断だった。