なぜ君たちは、出会ってしまったのだろう。

本来なら出会うはずのない姿をしているはずなのに......。

――世の中には、アッと驚く組み合わせの食べ物がある。埼玉県春日部市で生まれた「コレ」も、その一つだ。

ピンクと茶色のたい焼きが、コッペパンの上に掲げられている。

交わらないはずの2つの食べ物が、こんもり盛られた生クリームと、その中から伸びるいくつもの柱によって一つのメニューになっているのだ。

どうやって食べたらいいのかわからないこのパンは、埼玉県春日部市にあるスーパーマーケット「みどりスーパー」で販売されているもの。同店のツイッターアカウント「スーパーみどり惣菜部」(@super_midori3)では、このパンを次の名前で呼んでいる。

「地下神殿クリームパン」

地下神殿のパンとは??

「地下神殿クリームパン」とはいったい何なのか。2023年3月30日、Jタウンネット記者はみどりスーパー惣菜部で、このパンの生みの親でもある河内みどりさんに聞いた。

河内さんが最初に「地下神殿クリームパン」を作ったのは2月18日だった。

発想のきっかけは、同じ埼玉県春日部市にある水害対策用の治水施設「首都圏外郭放水路」。巨大な地下空間に大きな柱が並ぶ「調圧水槽」の内部は何とも言えず荘厳で「防災地下神殿」と称される場所だ。

東武トップツアーズが実施する同施設の見学をメインにしたバスツアーのコースに、みどりスーパーでの買い物も入っていたため、河内さんは「地下神殿のパン」を作りたいと思ったのだという。

そして市販のウエハースを柱に、たい焼き型の菓子を天井に見立てた「地下神殿クリームパン」が爆誕。しかしなぜ、インパクトのありすぎるたい焼きをチョイスしたのか。その理由について、河内みどりさんはこう語る。

「なにかのせるのにふさわしいものを店内でグルグルしてさがしたら、
かわいくておめでたいタイに決定しました」

地下神殿クリームパンにはチョコ味のたい焼き(茶色)が乗ったものと、イチゴチョコ味のたい焼き(ピンク色)が乗ったものの2種類がある。

こだわりは柱が崩壊しないようにバランスを取っていることだが、もし崩れてしまっても「笑いが取れる」とのこと。

みどりスーパーでは「地下神殿パン」の他にもクリームを挟んだパンにおしりの形のプリンを乗せた「プリプリけつぷりんパン」や「ももケツぷりんパン」、最中を乗せた「そこらへんの最中クリームパン」、みたらし団子を串ごと挟んだ「そこらへんのみたらし団子クリームパン」など、様々なパンを生み出している。

なぜそこまで、パンに情熱を傾けているのか。記者の問いに河内さんが答えた。

「お客様が、笑顔になるからですね!
もちろんおいしいのが前提ですがおいしいだけじゃない!パンで笑いを!」

地下神殿クリームパンは、1個270円(税込み)。