今年に入って死亡事故のペースが去年を上回っています。もしもの時身を守ってくれるシートベルトですが広島の着用率が全国平均より低いということです。

時速55kmで走る車が壁に衝突した場合、シートベルト着用の有無でどのような差が出るかを実験した映像では後部座席でシートベルトのない人形は衝突後に前方に投げ出されヘッドレストに頭を打ち付けてしまいます。さらに自身だけでなくシートごと運転手を押しつぶしてしまいました。

横でシートベルトを着けていた人形と比較すると衝撃の大きさはあきらかです

斉藤記者「助手席はもちろん、後部座席に座っている場合でもこのシートベルトを着用しているかどうかで事故をしたときのけがの程度は大きくかわります」

県警の統計によりますと去年1年間、県内で発生した事故のうちシートベルトをしていなかった人の重傷率は、していた人の約3倍、死亡率は約9倍になるということです。

去年9月、安佐南区大塚東の道路で車がトレーラーに追突した事故では、車に乗っていた3人のうち死亡した人のほか大けがをした人がいた一方、けががなかった人もいました。

この事故では座席の位置だけでなくシートベルトをしていたかどうかがけがの程度を左右した可能性もあるということです。

後部座席のシートベルト着用は自分自身のためだけではありません。

JAF広島支部 事業課 平岡桃子さん「事故が起きた際に前に投げ出されてしまい、一緒に乗っている同乗者に危害を加えてしまう恐れがあります」

JAFの調査によると広島県での後部座席のシートベルト着用率は全国平均を下回る40.3%、約6割の人がシートベルトをせずに乗っていることになります。さらに高速道路に限ると65.7%と広島県は全国でもワースト5位の着用率です。

道路交通法が改正され全ての席でシートベルトの着用が義務化されたのは今から15年も前のこと。

JAF広島支部 事業課 平岡桃子さん「意識がまだ根付いていないのかなと。ご自身と同乗者の命を守るためにもどの席に座っても必ずシートベルトを着用してください」