夜中に動物保護施設のドアベルを鳴らした犬(画像は『People.com 2023年2月7日付「Lost Texas Dog Finds Her Way to Former Shelter and Rings Rescue’s Doorbell for Help」(PHOTO:ANIMAL RESCUE LEAGUE OF EL PASO)』のスクリーンショット)

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1頭の犬が新しい飼い主の家で暮らし始めて約1か月後、行方不明になった。犬が向かったのは長い間世話になった動物保護施設で、夜中にもかかわらず「中に入れてよ!」と言わんばかりにドアベルを鳴らしたという。動物専門ネットメディア『The Dodo』などが伝えている。

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米テキサス州エルパソ郡カヌーティージョの動物保護施設「アニマル・レスキュー・リーグ・エルパソ(Animal Rescue League of El Paso)」に現地時間1月29日、「“ベイリー(Bailey)”がいなくなってしまった」と飼い主の男性から連絡があった。

男性は約1か月前、同センターの最長滞在記録を更新中だったメス犬のベイリーを引き取っていたが、公園で新しいハーネスを試していたところ逃げてしまったという。

「ベイリーは何かに驚き、男性の視界からあっという間に消えてしまったようで。それで私たちに知らせてくれたのです」と語るのは、保護施設の創設者ロレッタ・ハイドさん(Loretta Hyde)だ。同施設はその後、SNSにベイリーの写真を数枚添えて次のように呼びかけた。

「この美しいメスの犬、ベイリーがメサ・アンド・サンランド公園の西側付近でいなくなってしまいました。ベイリーはとても人懐っこい犬です。もし見かけたら電話をして下さい!」

こうしてしばらくすると、同施設にはフォロワーからベイリーの目撃情報が次々と寄せられた。ロレッタさんは「ベイリーがいなくなった公園から私たちの施設までは約16キロ(10マイル)あるのですが、情報によるとベイリーは少しずつ施設に近付いてきているようでした。何故かはわかりませんが、私は『あの子はここに向かっているに違いない』とそんな気がしていました」と当時を振り返る。

そして2日経った31日、ロレッタさんの予感が的中する。なんと午前1時15分、ベイリーが施設のドアベルを鳴らし、自宅にいた女性スタッフの携帯電話に通知が届いたのだ。画面に映った見覚えのある顔に、女性が「もしかしてベイリーなの?」と聞いてみたところ、その犬はまるで「そうだよ! ベイリーだよ。中に入れてよ!」とでも言っているかのようにカメラを見つめていたそうだ。

なお女性はその後、まだ暗い夜道を車で走り、施設の前で待っていたベイリーを保護している。

ロレッタさんはベイリーについて「あの子はどこに行ったらいいのか、ちゃんと分かっていたようです。犬は私たちが思っている以上に賢いのです」と語り、このように続けた。

「長旅をしてきたベイリーはお腹を空かせて疲労困憊していました。そして餌皿いっぱいの食事を摂り、その朝はずっと寝ていました。」

「飼い主の男性にベイリーが見つかったことを伝えると、急いで駆けつけてくれました。男性はベイリーのことを心配し、ずっと捜し続けていたようですよ。」

ちなみに同施設のSNSには「無事に見つかって安心した」「ハッピーエンドで良かったね」「長く施設にいた動物は、新しい環境に慣れるまでは精神的に不安定だからね。ベイリーも大きな音か何かを聞いて怯えてしまったのかもしれないね」といったコメントのほか、「ベイリーは新しい飼い主が嫌だったのでは?」という声もあがったが、ロレッタさんはこう述べた。

「ベイリーは飼い主の男性のことが大好きなんですよ。でも施設で過ごした時間が長いので『あそこに行けば安全』と思ったのではないかしら。男性は私たちに感謝していましたが、私たちはベイリーを引き取った彼に心から感謝しているのです!」

画像は『People.com 2023年2月7日付「Lost Texas Dog Finds Her Way to Former Shelter and Rings Rescue’s Doorbell for Help」(PHOTO:ANIMAL RESCUE LEAGUE OF EL PASO)』『Animal Rescue League of El Paso 2023年1月30日付Facebook「URGENT- This beautiful girl- Bailey」、2023年2月1日付Facebook「Bailey is now safe」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)