ディズニーデートに“手作りおにぎり”を持ってきた彼氏にドン引き!記憶から抹消したい…

 寒くなってくると、なんだか寂しくて恋人が欲しくなる人という人も多いですよね。そんな冬の究極のデートスポットといえば、東京ディズニーランドです! しかし、誰もが羨む夢の国でのデートで悪夢のような経験をした女性がいました。

 埼玉県在住の会社員、田中菜々子さん(仮名・26歳)はこわばった顔をピクピクさせながら話してくれました。

「もう、あいつの顔を思い出すだけで、虚しくなる。ディズニーデートなんて二度としたくありません!」

◆ドッキドキのディズニーデート

 当時、付き合って3ヶ月の彼とは手を繋ぐだけの関係。まだ知らないことだらけの彼と、もっと仲良くなりたいと、菜々子さんがディズニーデートに誘ったそうです。

「彼は10歳年上でした。大人の雰囲気がなんか新鮮で。今までの彼氏はタメが多かったから、ちょっと寡黙で落ち着いているところが魅力だと思ってたんです……」

 菜々子さんがディズニーに行きたいと伝えると、彼は「菜々子ちゃんに任せるよ」と言ってくれたそう。

「彼に『任せる』と言われたからには、本気で調べなきゃって思って。それで、仕事帰りに本屋でディズニーの最新のガイドブックを買って……あと、YouTubeでディズニー情報も見たし、下調べめちゃしましたよ。アトラクションに乗るコースも、なんとなく決めてました。当日の混み具合にもよるかもって、2、3パターン考えてましたね。彼と思いっきりアトラクションで楽しみたくて。

 で、レストランは当日決めようかなって、パパッとガイドブックを流し読みしたくらい。とにかく観たいショーがいくつもあって、アトラクションも乗りたかったから、昼と夜は時間をずらしてレストランに入ればいいかなって」

◆ついに夢の世界へ!楽しい時間

 開園と同時に敷地内に入ると、ディズニーランドはクリスマス一色! 菜々子さんは、自分より少し背の高い彼氏のコートの裾を掴み、ワクワクしながら夢の世界へ入っていったそう。

「今思えば、午前中は楽しかったです。私も彼も久しぶりのディズニーで、どこを見ても新鮮で素敵で……『やばいね〜』ってとにかく二人で『やばいね、やばい』ばかり言っていました」

 ビックサンダー・マウンテンにスペース・マウンテン! 絶叫系を制覇した後に、バズ・ライトイヤーやホーンテッドマンションで盛り上がり、はじめて入った美女と野獣では感動して泣いてしまったという菜々子さん。彼と過ごすディズニーデート! なんて羨ましいプランなのでしょう。

「途中でショーが始まったので、通路の脇にちょこんと二人で座ってエルサやオラフに手を振って『バイバーイ』って叫んで……写真もいっぱい撮りましたね。あの時は彼といる事が楽しくって、スマホでツーショットをたくさん撮ったな……」

◆ディズニーランドで食べた塩の効いた梅おにぎり

 さて、お昼が過ぎるとお腹が空いてきた菜々子さん。

「いやほんっとに、やばいんですよ。お昼ちょっと過ぎになって、そろそろレストランが空くかなってキョロキョロしてたら、彼が『菜々子、びっくりするよ〜!ジャジャーン!おにぎり作ってきました!』って。私、彼の冗談かと思って『またまたぁ〜』って苦笑いしたらジップロックに入ったおにぎり、まじで出してきたんです。もう、ほんとに引きました」

 彼は「チケットだけでも高いから、せめて食事は手作りにしようって昨日思いついたんだよね。10個作ったから、エレクトリカルパレード見て、帰るまでもつと思うよ」と言って、ドヤ顔をしてきたとか。

 東京ディズニーリゾートでは、持ち込んだ物を食べることは禁止されていますが……。

「もうどう返していいのか分からなくて。レストランでの食事も楽しみにしていたのに……。でも、2人で来ちゃったし、彼に合わせるしかなくて。結局、禁止されていることはわかっていたけど、こっそりとしょっぱい梅干しおにぎりを食べながら、エレクトリカルパレードを見ました。泣けました……」

 菜々子さんはさらに続けます。

「もう記憶から消したいですよ。ディズニー行く前に一人でいろいろ調べて盛り上がって、すんごいパワー使った分……あの瞬間、一気に萎えましたね。いや、ほんとに、まだ付き合いの浅い彼とディズニーランドに行くのは、おすすめしません」

 その後、菜々子さんは彼に理由は告げずにLINEをブロックして関係を終わらせたと言います。その日撮ったたくさんの写真も、一枚残らず削除したそう。

 彼女がいつか新しい恋人と、ディズニーランドのレストランで食事ができることを願います。
<文/木村ひかる イラスト/zzz>

【木村ひかる】
湘南在住の編集者/ライター。4人の子どもを出産後、独学でライターに転身。多数のメディアにコラムを寄稿している。「自分が読みたい記事」を書くのがモットー。
Twitter:@hikaru___kimura、Instagram:@hikaru.writer