朝日自動車(株)(TDB企業コード:580104821、法人番号:6120001030243、資本金9500万円、大阪府大阪市住之江区南港東3-1-27、代表林明氏)と、タクシー振興事業協同組合(TDB企業コード:580979817、法人番号:6120005006017、払込済出資総額4320万円、同所、同代表)は、2022年12月21日に大阪地裁へ自己破産を申請し、同日破産手続き開始決定を受けた。

 申請代理人は山形康郎弁護士(大阪市中央区北浜2-5-23小寺プラザ12階、弁護士法人関西法律特許事務所、電話06-6231-3210)ほか3名。破産管財人に軸丸欣哉弁護士(大阪市中央区平野町4-2-3オービック御堂筋ビル9階、弁護士法人淀屋橋・山上合同、電話06-6202-4446)が選任されている。

 財産状況報告集会期日は3月24日午後1時30分。

 朝日自動車(株)は、1950年(昭和25年)12月に設立。大阪市、堺市、東大阪市を主要営業エリアとしてタクシー業を手がけていた。六翔グループを形成して複数のタクシー業者を傘下とし、一般タクシーのほか家族・グループ旅行向けの小型バス、ジャンボタクシーなど合わせて300台近くの車両を保有。88年3月期には年収入高約36億2800万円を計上した。

 2000年ごろには、タクシー業界では大阪市内で初めて訪問介護事業所として大阪府から指定を受け、大阪市住之江区の本社をはじめ、東大阪市、堺市に訪問介護センターを開設。福祉大型タクシー(車椅子専用車)、リフト付きケアバスなどを配備するほか、ホームヘルパーの資格を有するドライバーも擁していた。

 しかし、リーマン・ショック以降は法人利用の減少によるタクシー業界の低迷や、同業者間の競合も厳しく、車両の削減を余儀なくされ業容は縮小。2019年3月期の年収入高は約14億7400万円にまで落ち込んでいた。その間、人件費負担も重荷となり、営業段階からの大幅な欠損計上が続いていたうえ、設備投資に伴う借入金の返済負担もあって資金繰りが悪化。金融機関に支援を要請するなどして資金繰り改善に努めていた。

 2020年以降は新型コロナウイルス感染拡大による、度重なる緊急事態宣言の発出の影響で利用客が急減。近時は、燃料価格の高騰などで経費負担が増加するなど事業環境が一層悪化し、先行きの見通しが立たないことから事業継続を断念、今回の措置となった。

 タクシー振興事業協同組合は、1974年(昭和49年)5月に設立。組合員である大阪市内を主体に活動するタクシー会社の燃料供給事業、車両整備業務、不動産管理業務などを展開していたが、朝日自動車(株)に連鎖した。

 負債は朝日自動車が債権者約283名に対し約11億6000万円、タクシー振興事業協同組合が債権者約6名に対し約5億2000万円、2社合計で約16億8000万円。