ほうれい線を消す方法を医師が解説 病院に行かずにできる対策も伝授
年齢を重ねると深くなり、老けて見える原因にもなるほうれい線。日本人は外国人に比べて、特にほうれい線を気にする傾向があります。気になるほうれい線を消す方法ってあるの?あきこクリニックの田中亜希子先生、教えてください。
監修医師:
田中 亜希子(あきこクリニック 院長)
東京大学医学部医学科卒業後、同大学の附属病院の産婦人科に勤務。その後、大手美容外科の副院長、美容外科美容皮膚科部と診療部の部長に就任。2009年にあきこクリニックを開院し、院長兼理事長に就任。患者さんとの信頼関係を大切に、なんでも話しやすい雰囲気を心がけている。
ほうれい線の原因は乾燥とたるみ
編集部
ほうれい線はどうやってできるものですか?
田中先生
20代など比較的、若い人にできるほうれい線は、乾燥が原因のことが多いです。肌が乾燥すると表面がカサつきしわの数が増え、ほうれい線のような大きなしわになるのです。
編集部
20代のほうれい線と、高齢になってできるほうれい線は原因が異なるのですか?
田中先生
違います。年齢を重ねてからできるほうれい線の原因は、たるみです。年を取ると人間は目の下(ほうれい線の上)やあご下に脂肪が増えてきます。同時に顔の筋肉や脂肪を引き上げる靭帯も緩んでくるため、脂肪が垂れ下がりほうれい線として表れてしまうのです。
編集部
太ったわけでもないのに、脂肪が増えるのですか?
田中先生
そうなのです。顔の皮下脂肪は年を取ると増えることが多く、それがほうれい線の原因になるのです。早い人だと30代から出てくる人もいます。外国人に比べて日本人はほうれい線を気にする傾向が強いので、早めのケアが大切ですね。
ほうれい線を消すには、ヒアルロン酸注射やリフトアップなどの手段がある
編集部
ではほうれい線を消すにはどうしたらいいのですか?
田中先生
実はできてしまったほうれい線を消すには、病院で治療をするしかないのです。自宅でほうれい線を消すというのは難しいと思います。
編集部
そうなのですね。病院ではどのような治療でほうれい線を消すのですか?
田中先生
ひとつはヒアルロン酸注射です。これは先ほど言った若いころに乾燥が原因でできるほうれい線に効果的です。気になるしわの部分に注射をすると、乾燥した肌にハリや弾力性が出ます。そのためしわが目立ちにくくなり、ほうれい線にも効果があります。
編集部
たるみが原因のほうれい線も治療はできますか?
田中先生
たるみが原因の場合は、糸によるリフトアップを行います。特殊な糸を顔の中に入れて、肌を引き上げてたるみを改善。たるみが目立たなくなることで、ほうれい線も目立たくなります。
ほうれい線を消すだけでなく、できる前のケアも大切
編集部
ではほうれい線ができたら、病院で治療するしかないのですね。
田中先生
そうなのですが、大切なのはほうれい線ができる前に、できないような対策をきちんと行うことなのです。
編集部
どのようなことをすればいいのですか?
田中先生
肌の加齢の原因は紫外線です。日焼けはすればするほど肌がダメージを受け老化が進み、乾燥やしわ、たるみにつながります。若い頃からしっかりと日焼け対策をしていれば、老化は進みづらいです。
編集部
なるほど。ほかにもできることはありますか?
田中先生
シンプルですが脂肪が落ちてこないように、重力に逆らって生活するのもよいでしょう。例えばうつ伏せ寝はNG! 寝るときはあおむけがベストです。シャンプーをするときも下を向かずに上を向いて髪を洗うなど、肌が落ちてこないように日常から気をつけるといいと思いますよ。リフトアップのマッサージなども効果的です。
編集部
つまりほうれい線はできてしまったら、治すためには病院へ行くことが必要ですが、できる前ならば対策ができるということなのですね。
田中先生
そうです。ほうれい線ができたところで、自分が気にならないのであればそのままでもいいと思います。ただ気になる人は、できる前にケアをしっかり行うことが重要。また、エイジングケアは早く始めて悪いことはありません。若い頃からしっかりと行ってください。
編集部まとめ
ほうれい線の原因は乾燥とたるみのふたつがあり、年齢によっても変わってきます。できてしまうと自分で治療をするのは難しいため、気になる人はできる前にしっかりとケアすることが大切です。「日焼け対策や日々の生活習慣に注意することで、肌の加齢やたるみを軽減することができます。アンチエイジングに早すぎるはありません。若い頃からしっかりと行ってください」と田中先生より、アドバイスを頂きました。