厳選!2歳馬情報局(2022年版)
第24回:プレドミナル

 6月から始まった2歳馬戦線も重賞レースが頻繁に行なわれる時期を迎え、来春のクラシックを目指すこの世代の勢力図が徐々に見え始めている。とはいえ、これからデビューする馬たちのなかにも、世代上位での活躍が見込まれている逸材がいる。

 栗東トレセンの藤原英昭厩舎に所属するプレドミナル(牡2歳/父エピファネイア)もその1頭だ。


姉や兄以上の活躍が期待されるプレドミナル

 同馬が期待される理由のひとつは、その血統にある。母は2015年にデビューし、新馬、オープン特別のエルフィンS(京都・芝1600m)と連勝を飾ったクルミナル。続くGIIIチューリップ賞(阪神・芝1600m)こそ11着に敗れるも、3歳牝馬クラシック第1弾のGI桜花賞(阪神・芝1600m)では2着と好走した。

 さらに、第2弾のGIオークス(東京・芝2400m)でも3着と善戦。このレースを最後に引退することとなったが、世代トップレベルの力を示した優秀な牝馬だ。

 彼女は引退後も繁殖牝馬として活躍。2018年に生んだククナ(牝4歳/父キングカメハメハ)は、GIIIアルテミスS(東京・芝1600m)で2着、GIIIクイーンCで3着と健闘し、母と同じくクラシックへ駒を進めた。

 そのクラシックでは、桜花賞6着、オークス7着と結果は残せなかったものの、その後も条件戦で奮闘。古馬となってからは3勝クラスで上位争いを重ね、オープン入りまであと一歩のところまできている。

 また、2019年に生んだアライバル(牡3歳/父ハービンジャー)は、デビュー戦を完勝。続くGIII新潟2歳S(新潟・芝1600m)でも2着に入って、素質の高さを証明した。

 以降、GIII京成杯(中山・芝2000m)で4着、GIIスプリングS(中山・芝1800m)で2着という結果を残すも、脚元に不安を抱えていることもあって、クラシック出走は断念した。現在も放牧に出たままだが、復帰後の活躍が期待されている。

 こうした血統背景により、デビュー前から注目を集めているプレドミナル。現在はトレセンで調整を重ねているが、陣営はどんな感触を得ているのだろうか。関西競馬専門紙のトラックマンが話を聞いてきた。

「調教に騎乗している岩田望来騎手は、『ここまで順調にきている』と話しています。『乗り味は悪くないし、うまく成長しています』とのこと。まだこれからの馬ではあるものの、その調整過程に抜かりはないようです」

 気性面や馬体についてはどうか。先述のトラックマンが再び岩田騎手のコメントを伝える。

「岩田騎手はプレドミナルの気性について、『おとなしくて、悪いことをするタイプではない』と話しています。馬体についても『ふっくらしている』と好印象を抱いている様子。他のスタッフからも『馬体は見栄えのするタイプ』という声が聞かれました」

 初陣の予定はまだ出ていないが、プレドミナルはこれからも追い切りを重ねて態勢を整えていくという。活躍馬が次々に出ている血筋から、再び重賞戦線で躍動する馬が登場するのか。注目である。