JR東日本「オフピーク定期券」の詳細判明 使えない「ピーク時間帯」は駅によって違う!
JR東日本が2023年3月から始める「オフピーク定期券」。その名の通りピーク時間帯以外であれば、割安になる定期券です。では、何時から何時までが使えないのでしょうか。
駅ごとに違う「オフピーク時間帯」を把握しておこう
JR東日本がきょう2022年9月16日(金)、首都圏で「オフピーク定期券」の導入に向け、国あて認可申請を行いました。開始は2023年3月を予定しています。
中央線の電車(画像:写真AC)。
これは、平日朝のピーク時間帯には使えない代わりに、発売額が通常の定期券に比べて10%安くなるというものです。同社としては、コロナ禍にともない密を避けるため、また混雑緩和へのニーズをふまえた取り組みとしています。
JR東日本によると、オフピーク定期券は「入場時間」で適用が判定されます。「ピーク時間帯」に入場すると適用外になり、1回分の普通運賃を支払うことになってしまいます。ところで、避けるべきこの「ピーク時間帯」というのは、具体的に何時から何時までのことなのでしょうか。
同社は、首都圏で今年4月から行われている「オフピークポイントサービス」の時間帯を基本とするとしています。ここで設定される「ピーク時間帯」は駅によって異なり、特に混雑が予想される1.5時間です。主要駅での「ピーク時間帯」は以下の時間です。
【「オフピーク定期券」が使えない「ピーク時間帯」】
●中央線
高尾:6:25〜7:55
八王子:6:35〜8:05
立川:6:45〜8:15
吉祥寺:7:15〜8:45
●総武線
千葉:6:35〜8:05
津田沼:6:50〜8:20
●東海道線
小田原:6:20〜7:50
茅ヶ崎:6:40〜8:10
藤沢:6:50〜8:20
戸塚:6:55〜8:25
混雑激しい、あの線区は?
●埼京線
大宮:6:45〜8:15
武蔵浦和:7:00〜8:30
板橋:7:35〜9:05
●高崎線・宇都宮線
熊谷:6:05〜7:35
上尾:6:40〜8:10
古河:6:05〜7:35
久喜:6:15〜7:45
浦和:6:50〜8:20
赤羽:7:05〜8:35
●南武線
登戸:7:00〜8:30
武蔵溝ノ口:7:00〜8:30
●常磐線
土浦:6:30〜8:00
取手:6:40〜8:10
我孫子:6:45〜8:15
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1か月定期の場合、「オフピーク定期券」は何日で元が取れるようになるのでしょうか。
JR東日本は、オフピーク定期券の設定とともに、ピーク時間帯も使える通常定期については、1.4%値上げするとしています。立川〜新宿間の場合、1か月定期券は、現行で14170円。これが来年3月から、14640円になります。これに対し、オフピーク定期券は割安で13030円となります。なお、どちらの運賃にも、「鉄道駅バリアフリー料金」として280円の加算分が含まれています。
13030円はおよそ14往復分。通常定期に比べ、2日程度早く元が取れる計算になります。通勤代を支給する側の雇用主に対しては、勤務時間をシフトするためのインセンティブになるほか、この2日程度を自宅テレワークに回すという選択もしやすくなるかもしれません。
都内IT系企業の経理担当者は「出社率が上がる傾向にある中、遅出勤務の切り替えで経費削減につながるのはありがたい」と話します。一方で、「取引先との打合せなど、どうしてもピーク時出社せざるを得ない場合、その際に払った運賃の精算で、事務処理が煩雑になるかもしれない」との声もありました。