日立グループで家電事業を担当する日立グローバルライフソリューションズ(日立GLS)の大隅英貴社長が取材に応じ、「日立GLSは、デジタルとグリーンの観点からイノベーションを推進し、デジタル技術を活用したソリューション事業の拡大と循環型モノづくり企業への変革を進める」と抱負を述べた。

日立製作所では、2024年度を最終年度とする「2024中期経営計画」を今年度からスタートしているが、日立GLSでは、2024年度の業績目標は公表していない。大隅社長は、「売上収益については、国内家電市場は極端な成長は見込めないものの、海外白物家電事業を担うトルコのアルチェリクとの合弁会社や、空調事業におけるジョンソンコントロールズとの合弁会社を通じた海外事業の拡大によって成長を目指す。優先する経営指標はEBITであり、収益性を高め、EBIT率は10%以上とし、世界トップクラスの水準を目指したい」などと述べた。

また、日立GLSが含まれる日立製作所のコネクティブインダストリーズセクター全体では、R&D投資として、3年間累計で、前中計比で30%増を計画しているが、日立GLSでも研究開発投資を増やし、デジタルやグリーンを中心に重点的に投資する姿勢を示した。具体的には、コネクテッド家電やサービス、循環型ものづくり、脱CO2化などが投資対象になる。

2024中期経営計画における目標

大隅社長は、1971年8月、新潟県佐渡島出身。1996年3月、東北大学大学院工学研究科卒業後、同年4月に日立製作所に入社。入社以来、18年間に渡り、首都圏の列車運行を支えるATOS(列車運行管理システム)の開発に携わり、2012年にインフラシステム社情報制御システム事業部ATOSセンタ長に就任している。この間、米サンダーバード大学でMBAを取得。2015年の建物の省エネ導入などを支援する社会イノベーション事業推進本部ソリューション・ビジネス推進本部ビル街区プロジェクト本部ビル街区ソリューションセンタ部長を経て、2015年に米Hitachi Consulting (現日立ヴァンタラ)バイスプレジデントに就任。2018年に日本に戻り、サービス&プラットフォームビジネスユニット制御プラットフォーム統括本部事業主管として、熟練の技術者のノウハウをAI化したメンテナンスおよびリペアサービス事業の立ち上げに関わった。2019年にはライフ事業統括本部デジタルフロント事業本部長として、アジアにおけるデジタルスマートシティの立ち上げや、コネクテッドカーに関わるセキュリティの実現、粒子線がん治療事業やAIでのがん検診推奨事業などに携わり、2020年にライフ事業統括本部デジタルフロント事業部長を経て、2022年4月に、日立グローバルライフソリューションズの取締役社長に就任した。

日立グローバルライフソリューションズ(日立GLS)の大隅英貴社長

自らのキャリアを、「人々のQoL向上に向けて、様々な分野をグローバルで経験してきた」と述べ、「新たな事業に挑戦する機会が多く、その分、多くの失敗を繰り返してきた。それらを通じて、千本ノックのようにして身についてきたものがある。デジタルを活用した空調や家電、ソリューションを作り上げる上では、これまでの失敗や苦労を生かすことができると感じている」としたほか、「ATOSに関わったことで、社会インフラを支えるシステムを経験でき、いかに高い品質のモノづくりをするか、鉄道の利用者のことを考えたシステムをどう構築をするのかということに、お客様と協創しながら取り組んできた経験は大きい。家電や空調は量産型のビジネスではあるが、家庭内で使っていただくという点では、品質はとても大切である。また、ビジネスを拡張していく上ではお客様や利用者の理解がとても大切である。分野は違うがATOSでの経験は、お客様や利用者を第一に考えるという点で家電事業や空調事業に生かすことができる」と述べた。

また、理想とする経営者の一人として、ファーストリテイリングの柳井正CEOをあげ、「ユニクロを山口県で創業し、グローバルの企業に成長させた。試行錯誤をしながら成長させた姿には学ぶところが多い。様々な経営者に関する本を読んでいるが、それにとらわれることなく、自分のあるべき姿を目指したい」としたほか、日立GLSの前社長だった谷口潤氏(現日立製作所執行役常務兼日立デジタル社CEO)が推進してきた改革への取り組みについて触れながら、「これまでは会社を改革することに重点的に取り組み、その成果が出始めている。そこで生まれた新たな力を使って、成長させていくのが私の役割である。収益性を高めていくことや、デジタル化の推進に貢献したい」とコメントした。

前任の谷口氏が率いてきた3年間は、2019年度から2021年度までの「2021長期経営計画」の期間中にあたり、2019年に家電製造を担当していた日立アプライアンスと、家電販売を担当していた日立コンシューマ・マーケティングを統合し、日立GLSを設立。さらに、2021年7月には、海外家電事業において、トルコのアルチェリクとの合弁会社であるArcelik Hitachi Home Appliances B.V.を設立するなど、家電事業の大規模な構造改革を推進してきた。

2021長期経営計画の成果

これらの成果を受けて、2022年度からスタートした「2024中期経営計画」では、Lumada事業を基軸に、新たな事業創生などの成長フェーズに移行。「暮らしの充実」、「医療の高度化充実」、「循環型社会」、「低環境負荷」の4点に取り組む考えを示した。大隅社長は、「Lumada事業の拡大と、グローバルアライアンスを強化。さらに、再生医療やスマートホームなどを成長の柱にしていきたい」と述べた。

現在、日立GLSは、日立製作所の4つのセクターのうち、主にモノづくりを担っているコネクティブインダストリーズに含まれており、エレベータなどを担当するビルシステムBUとともに、同セクターのアーバングループを構成する。

日立製作所の4つのセクターのうち、主にモノづくりを担うコネクティブインダストリーズ

コネクティブインダストリーズでは、「つないでいく。データを、価値を、産業を、そして社会を」をパーパスに掲げており、日立のプロダクトを集結し、知とデータをつなぎ、ここから生まれるソリューションによって、産業や社会を変えていくことを目指すという。

日立GLSでは、2024中期経営計画において、これまでの製品を軸とした「基盤プロダクト事業」、コネクテッド家電などのIoTプロダクトによってサービス基盤を構築する「IoTプロダクト事業」、低環境負荷のモノづくりと、ESG経営の実践を進める「ブロダクト資源循環事業」、デジタルサービスやサブスクリプションなどによる「ソリューション、サービス事業」の4つの事業に取り組む考えを示した。

日立GLSが2024中期経営計画で取り組む4つの事業

大隅社長は、「IoTプロダクト事業領域は大きく伸長しており、これを広げることで、家電接続率を向上させ、そこからデジタルデータを利活用するソリューションやサービスを事業として拡張していきたい。そして、モノづくりも循環型にシフトしていきたい。これらの実現に向けては、アルチェリクとの合弁会社、ジョンソンコントロールズとの空調機器に関する合弁会社との連携も活用することになる」とした。

「IoTプロダクト強化とLumda事業拡充」ならびに「グリーン社会に貢献する循環型モノづくり強化」が変革への重要戦略

なかでも、IoTプロダクト事業の強化では、カメラ機能搭載冷蔵庫や、ネットワークに接続し、洗剤や柔軟剤の自動発注を行う洗濯乾燥機のほか、電子レンジでは独自のヘルシーシェフアプリで利用して、スマホとつなげて、日々の献立の提案や新しいレシピの提案を行うといった家電製品の例をあげながら、「コネクテッド家電の拡大とともに、データ基盤の立ち上げにも取り組む。また、コネクテッド家電から得られたデータをモノづくりにも生かし、品質の高い商品をお客様に提供したい。さらに、データは、サービス品質を高めたり、新たなソリューションの創出にもつながる。商品を売って終わりというビジネスから脱却していきたい」などとした。

同社では、日立家電メンバーズクラブを通じて、顧客とつながることで、様々な情報を発信したり、データを収集したりといったことを進めているほか、2021年度に日立製作所が買収したデジタルエンジニアリングサービスのGlobalLogicとの連携強化により、データ活用などを推進していく考えも示した。

洗剤や柔軟剤の自動発注を行う洗濯機などの例をあげ、コネクテッド家電の拡大とともに、データ基盤の立ち上げに取り組むことを説明

アルチェリクとの合弁会社では、アルチェリクの製品を調達して、日立ブランドで海外展開する計画を2022年度内に実現。これらによって製品ラインアップを強化するほか、アルチェリクの製品に日立GLSの技術を採用する「製品シナジー」を追求。さらに、アルチェリクのグローバルの販路の活用や、日立GLSの海外の既存販路の構造改革や効率化による「販路シナジー」、アルチェリクおよび日立GLSの製造および業務プロセスを適用する「コストシナジー」の効果を見込んでいる。

「合弁会社がスタートして1年を経過し、そのシナジーが徐々に発揮されている。アルチェリクは、欧州や中東で実績を持ち、ボリュームに対応できる体制を持っている。日立GLSは、高付加価値で、生産にも手間がかかるものを得意としている。双方の製品ランイアップや販路の違いは補完できる関係にあり、シナジーが発揮しやすい。また、アルチェリクは、カーボンニュートラルへの取り組みをはじめ、環境対応にも先進的であり、その点でもモノづくりを学ぶことができる。現時点では、共同開発の製品は市場投入していないが、『2024中期経営計画』の期間中には実現したい。また、かつての日立GLSの海外生産拠点は、アルチェリクに移管しており、そこで生産している洗濯機や冷蔵庫は、日本でも販売を継続している。さらに、日本で展開しているコネクテッド家電は、アプリケーションのローカライズなどの課題があり、そのまま海外で展開できるわけではないが、デジタル化が進んでいる国を中心に展開していきたい」などとした。

アルチェリクとのシナジー

また、グリーン社会に貢献する循環型モノづくりの強化として、環境配慮型製品の拡大のほか、サブスクリプションやリファービッシュといったリカーリングビジネスを2022年度後半の立ち上げること、廃棄物の削減に直結する再資源化率の向上などに取り組む方針も打ち出した。

「先ごろ、再生プラスチックの使用率を40%以上にしたスティック掃除機を発表した。これは、掃除機そのものもリサイクルしやすいようにしており、環境に優しい塗装を行うといった部分にまでこだわっている。現在、材料価格が高騰しており、その裏返しとして、割高とも言われる再生プラスチックに挑戦しやすい環境が整ったともいえる。課題となっていた仕上がりについても、それを逆手にとって、艶消しブラックなどのお洒落なデザインに生かすことができている。今後、再生プラスチックに関する回収、生産、開発、技術を磨き、こうした製品をどんどん拡大したい。やれることは多いと考えている」としたほか、「サブスクリプションやリファービッシュへの取り組みによって、販売して終わりではなく、回収までを含めた事業へと広げていきたい。日本の市場は多様化しており、ひとつのものを長く所有したいというニーズや、生活スタイルが変化するのにあわせて家電を変えたいといった様々なニーズがある。より多くの人に使ってもらい、喜んでいただくために、デジタルの活用やサブスクリプションの提案は必要である。高付加価値製品もサブスクリプションによって試してもらいやすくなる。日立のファンを増やすためにも必要な仕組みであり、資源循環にもつながる。いろいろなことにトライしたい」などと述べた。

循環型モノづくり強化では、環境配慮型製品を拡大、リカーリングビジネスも立ち上げる

なお、リファービッシュの取り組みについては、現時点では事業化していないが、「日立ならではのメーカー品質により、安心して利用してもらえる仕組みを作りたい。エンドユーザーに届ける仕組みにおいてはパートナーとの連携も検討したい」などとした。

一方、グリーンについては、「継続的な省エネルギー化への取り組みだけでなく、カメラ付き冷蔵庫では、冷蔵庫に入っている食品がわかるため、結果として、フードロス削減にも貢献することができるだろう。また、生産拠点での太陽光発電の導入など、カーボンニュートラルへの取り組みも進める」としたほか、「関東エコサイクルにより、再資源化率の向上に取り組んだり、日立アプライアンステクノサービスを通じて、回収した素材をリサイクルしたりといった仕組みを持っている。ライフサイクル全体を通じた仕組みづくりにおいてもデジタルを積極的に活用していきたい」と語った。

日立GLSでは、「ひとりひとりに、笑顔のある暮らしを。人と社会にやさしい明日を。私たちは、未来をひらくイノベーションで世界中にハピネスをお届けします」をパーパスに掲げており、大隅社長は、「ポストコロナで迎える2030年に向けて、QoLの向上、サステナブルな社会の実現に向けた取り組みを加速し、人と地球環境が共存し、個々の多様なライフスタイルを尊重する社会の実現を目指す」と述べた。

さらに、「生活スタイルの多様化によって、家電に求められる役割が変化している。便利であるとか、家事の負担を削減するだけでなく、家事を分担するといったことにも貢献したい。家族が家事をするようになると、冷蔵庫の中身は一人が理解していればいいというものではなくなる。カメラ付き冷蔵庫とアプリを活用して、家族みんなで冷蔵庫の食材の情報を共有できるようになるなど、家事をシェアする生活の真ん中に日立のアプリケーションがあり、新たな生活に役立つような役割を担いたい。人々の生活の質を高めるためのコネクテッド家電を提案したい」とした。

求められる省エネや環境対応、そして多様化する生活スタイルのなか、サステナブルな社会と人々のQoL向上を追う

だが、その一方で、「社長就任直後には、社員に対して、モノづくりを大事にしたいという話をした。デジタルとグリーンを柱とする2024中期経営計画の基本方針においては、その裏返しとして、モノづくりには光が当たりにくくなるのではないかと感じた。日立GLSは優れた製品を作り、届けることで価値を提供できる。これまでは、製品というとハードウェアを指していたが、これからは、そこにアプリケーションや遠隔監視といったデジタルが加わり、製品そのものは環境に優しいものが求められる。日立GLSが期待されている部分はそこにある」とも述べた。

さらに、「機能が増えれば、ボタンがどんどん増えていくというのが、これまでの家電。だが、それらの機能は使ってもらえているのか、本当に求められている機能はなにかということをデータから知り、それを製品に反映したり、協創パートナーとのサービス創出につなげたりしたい」と語った。

大隅社長は、「日立GLSは優れた製品を作り、届けることで価値を提供できる」という。ただ、これからの「製品」とはハードウェアにデジタルや環境を加味したものだと説明する

一方、空調ソリューション事業については、「日立のIoTソリューションによって、グリーン&クリーンを提供し、社会課題解決に貢献する」とし、「建物のエネルギー消費の3〜4割は空調である。グリーンにおいては、空調の省エネ化は重要なテーマである。省エネ化を実現するためのエネルギーソリューションや、安心して空調を利用してもらうためのファシリティソリューションを日立グループ内の連携によって推進していく。また、クリーンでは、再生医療分野などにおいて求められる空気の質や温度、湿度を管理するヘルスケアソリューションを提供していく。クリーンを支えるソリューションがexiidaであり、データを活用して、空気の質を見える化し、リモートサービスとして提供している」などと述べた。

空調ソリューション事業戦略

さらに、ジョンソンコントロールズ日立(JCH)では、空調機におけるコネクテッド家電の実現や、CO2を活用した冷媒の開発などの環境対応などを推進するという。

「両社の関係は良好であり、これまで以上に事業を伸ばしたいと考えている。中国や台湾など、アジアを中心に日立のブランドを活用した形で、家庭用、業務用を含めてビジネスを強化したい。さらに、欧米ではジョンソンコントロールズのチャネルを利用できる。空調分野は、カーボンニュートラルの観点からも世界的にも注目されている領域。グローバルでの展開を強化していく」との姿勢を示した。

日立GLSでは、2022年4月から、国内の白物家電の値上げを行っている。

「販売店の方々と丁寧に対話をしながら、少しずつ値上げを進めている。コスト削減などを最優先で取り組んできたが、円安やウクライナ情勢の影響に伴う素材価格の高騰、半導体不足などで、吸収しきれない部分が出ている。今後も、取り巻く環境の変化に注意を払いながら、がんばっていきたい」とした。

半導体不足については、「DRAMは需要過多になってきたが、家電に利用するマイコンはまだ生産が追いついていない。半導体メーカーなどに協力を得ながら、対応しているところである。今後は、需給バランスが緩んでくるとは考えている」と述べた。

日立GLSの業績に大きな影響を及ぼしたのが、2022年3月下旬から5月末までの中国・上海のロックダウンである。

中国・上海では、洗濯機を制御する基板を生産する拠点があり、ロックダウンの影響でこの生産が停止。日本での洗濯機の組み立てが行えない状況に陥り、製品が供給できず、需要に対応できなかった。これにより、家電の事業計画は、期初目標から下振れしている。

2022年度の日立GLSの業績見通しは、期初には売上収益で3,920億円、Adjusted EBITAは460億円としていたが、7月29日の第1四半期決算発表の際に下方修正を発表。売上収益は前年比6%減の3,720億円、Adjusted EBITAは前年比20億円減の380億円とした。

中国ロックダウンの影響もあり、2022年度の日立GLSの業績見通しは下方修正が発表されていた

大隅社長は、「上海ロックダウンの影響があったが、2022年度の予算は達成したい」と意気込む。

上海ロックダウンは、大隅社長にとっては、社長就任直後のタイミングで発生した想定外の出来事だったともいえるだろうが、実はこれを前向きに捉えている。

「上海ロックダウンの発生により、日立GLS社内で活発な議論を行うことができ、社員と距離を一気に縮めることができる、いい機会になった。また、日立GLSが持つモノづくりの力や販売の力も理解でき、その潜在能力も短期間に理解できるチャンスになった。第1四半期決算は厳しい内容であったが、ここから巻き返しを図る」と意欲をみせる。

2022年4月以降、白物家電の需要は堅調であり、行動制限がなくなるなかで、量販店の店頭では賑わいを取り戻し、高級家電を中心とした需要の高まりによって、平均価格も上昇傾向にあるという。

また、6月6日からは、幅広い層に人気がある芦田愛菜さんをCMに起用。「そこで日立!」をキャッチフレーズに、カメラ付き冷蔵庫、大容量冷蔵庫、ナイアガラ洗浄洗濯機の3本のCMを放映し、日立の白物家電の特徴を積極的に訴求。若い世代に対する日立ブランドの認知度向上の狙いもあるという。

芦田愛菜さんを起用したテレビCMの一部

現在、日立GLSが国内市場で力を注いでいるのが、洗濯機、冷蔵庫、掃除機の3商品だ。第1四半期の供給の遅れを下期で取り返す考えだ。

大隅社長は、「日立GLSでは、洗濯機、冷蔵庫、掃除機に加えて、電子レンジと炊飯器を含む5商品を重点分野に位置づけてきたが、これを3商品に絞り込むものではない。3つの商品分野は、収益性が高いもの、付加価値が高いもの、デジタルとの親和性が高いものに投資をしていくという狙いがある。これらの商品領域において、継続的に生産能力の向上を進めるほか、自動化などにより生産効率の改善などにも取り組む。コネクティブインダストリーズにはロボティクス技術やAI活用、自動化において実績がある。それらのノウハウを活用できる。また、デジタルを活用することで、上流から下流までのトータルサプライチェーンを磨き、販売予測までを含めて強化する。冷蔵庫や洗濯機、掃除機はボリュームが出ている商品ゾーンであり、ここでの効率化は経営面でも大きなメリットにつながる」とした。

日立GLSにとって、大隅新社長体制で臨んだ2024中期経営計画の第一歩は、やや厳しい船出となったが、巻き返しに向けた準備は着実に進んでいるようだ。