「黒い雨」被爆者認定 母親死亡の「胎内被爆者」規定なく審査中断
原爆投下直後の「黒い雨」に遭った被害者のうち、母親の胎内にいた人が被爆者認定を受けるとき、審査が滞っているケースがあることがわかりました。
「黒い雨」の被害者をめぐっては、広島高裁で去年7月原告全員を被爆者と認める判決が確定し、国の新たな基準に基づく被爆者手帳の交付が始まりました。
その中で「胎内被爆者」と認定されるには、母親が「黒い雨」の被爆者と認められる必要があります。
一方、母親がすでに死亡しているケースは想定されておらず、認定の審査が中断されていることがわかりました。
県と広島市によりますと、胎内被爆者として認定を求める申請は7月末までに40人以上からありますが、母親が亡くなっているケースが多いということです。
県と広島市は国に対し「広く救済する観点から認定の方向で検討してほしい」と要望しています。