UNIVERSITY of CREATIVITY（UoC）の近藤ヒデノリ（Hide）と平井美紗（Misa）がお届けするinterfmの番組「UoC Mandala Radio」。クリエイターに“ワクワクする社会創造の「種」を聞く”というテーマで、毎回さまざまな領域で社会創造をおこなっているゲストを招き、未来に向けた創造やアクションについて語らいます。

7月6日（水）の放送では時事Youtuber・株式会社 笑下村塾のたかまつななさんがゲストに登場。選挙に参加することの重要性について語ってくれました。

（左から）Misa、たかまつななさん、Hide


たかまつななさんは、フェリス女学院出身のお嬢様芸人としてデビュー。時事YouTuberとして、政治や教育現場を中心に取材し、若者に社会問題を分かりやすく伝えています。選挙権年齢が18歳以上に引き下げられたことをきっかけに、株式会社 笑下村塾を設立。「政治の絵本」（弘文堂）やババ抜きカードゲームなど、若い世代の政治参加を促す活動に尽力しています。

◆小学生の頃から政治に関心を持っていた

Hide：もうすぐ参院選ということで来ていただきました（収録日は6月29日）。たかまつさんは、若者の選挙への参加を促進する活動をいろいろとやられています。改めて、どんな活動をされているのか教えていただけますか？

たかまつ：お笑い芸人が全国の学校に出張して、政治のことを楽しく伝える「笑える！政治教育ショー」というものをやっています。今まで6万人ぐらいの子どもたちに授業を届けてきました。お笑いの力で世直しすることをテーマに活動していて、他にはSDGsのことやキャリア教育、漫才体験を通して、コミュニケーションのスキルアップをはかる授業もおこなっています。

社会問題とか政治について少しでも興味を持ってもらうような教材を作ったり、授業を届けたり、YouTubeを通してそれらを伝えたりしています。今もTikTokとかで各党の党首の話を30秒でまとめたりしていて、若い人にどうやって身近に感じていただけるかってことをミッションにしていますね。

Hide：活動は何年ぐらいやられているんですか？

たかまつ：2016年の18歳選挙権が導入されたときからやっていますね。

Hide：きっかけは何だったんですか？

たかまつ：私自身、ずっと政治とか社会問題に関する発信をしていたんですけど、どうしても若い人が主役になる瞬間って、私のなかではそれまであまり感じられなかったんですね。18歳選挙権が導入されたときに、初めて「若い人が政治に参加するにはどうすればいいか」という議論が活発になって、「このチャンスを逃すまい」と思ったことですね。

あとは、18歳選挙権が導入されたのに、全然若者向けの政策とか若い人向けの政治の授業とか、面白いコンテンツが出てこなかったことに対して危機感を覚えたので「だったら自分で作ろう」と思ったことも大きかったですね。

Misa：私は本当に政治に疎いんですが、たかまつさん自身が、なぜ政治に興味を持つようになったのかが気になります。

たかまつ：小学校4年生のときにアルピニストの野口健さんの環境学校に参加したんです。富士山で1週間ぐらい自然を体験するといった内容で、1日目は富士山に登って「綺麗だな」と感動したんです。ところが、次の日に「ゴミ拾いに行こう」ということになったときに、私はバスが捨てられているのを見つけたんですね。

Hide：山に？

たかまつ：はい。他にも注射器とか、医療器具がたくさん捨てられていました。

Hide：不法投棄ですね。

たかまつ：「酷いな」って思いました。ゴミを拾うことって誰がすべきなんだろうって考えたときに、ゴミを拾って楽しい人はあまりいないなって思って。そのとき「税金ってこういうときに使われるべきなんじゃないか」と考えるようになりました。政治が「税金をどう使うか」とか「どういうルールを作るか」ということを決めるので、それで政治に関心を持つようになったって感じですね。

◆時事YouTuberになった経緯

たかまつ：前回の参院選のときに「若者よ、選挙に行くな」という動画を作りました。

Hide：あれはインパクトがありましたね。

たかまつ：ご高齢の方に出ていただいて、「私たちが得をするから若い人たちは選挙に行かないで」と訴える動画を作ったんですけども、実は私がNHK局員時代（2018年4月から2020年7月末まで在籍）のときに作った動画なんですね。

Misa：そうだったんですか!?

たかまつ：最終的に「YouTubeにアップしよう」と思いついて、急いで2、3日で作りました。そうしたら30ぐらいのテレビや新聞で取り上げてもらったんです。LINEがおこなった調査によると、4人に1人は動画を観てくださったそうです。SNSでも何百万回と再生されたんです。

Hide：すごいですね。

たかまつ：「YouTubeで私が作成した動画だったら、いろんなところで流してもらえるんだ」って思いました。すると「だったらYouTuberでよくない？」って思うようになってしまったんですね（笑）。企業や組織に所属すると、やっぱりしがらみがあるんですよね。政治家に取材できないわけではないんですけど、たくさんの根回しが必要だったりするので。NHKを辞めてからは、党首にインタビューをしに行ったり、ディープな問題を取り扱ったりしています。

◆若者の投票率が向上してほしい

Hide：なぜ選挙で投票しなければならないのか、たかまつさんの考えを聞かせていただけますか？

たかまつ：7月10日（日）に参院選がありますけども、悩んでいる方は本当に投票所に足を運んでいただきたいです。私は特に若い人たちに投票に行っていただきたいと思っています。まず、（投票に）参加する人数が少ないと、特定の利益団体の支援を受けた人が当選しやすくなってしまうんですね。

たとえば、30人いる学校のクラスのなかで学級委員長を決めるとしますよね。そのとき「投票に3人しか行きませんでした」「投票した人は全員野球部でした」ってなると、野球部の意向ばかりが通るルールづくりになってしまうと思うんですよ。

Hide：それはわかりやすい。

たかまつ：30人全員が投票すれば、どの部活動に対しても公平にしなければならないという流れになると思うんです。参加人数を多くすることで、より公共性が高まるので、できれば投票に行ってほしいです。

日本は「シルバー民主主義」と呼ばれています。高齢者の人口が多いうえに選挙に行く割合が高いから、高齢者向けの政策が必然的に多くなるんです。

Hide：そうなんですよね。

◆成功を重ねて“信頼”を生み出す

Misa：では最後に、ゲストへの恒例の質問を投げかけたいと思います。たかまつさんにとって、ワクワクする社会創造のタネとは何でしょうか？

たかまつ：「社会を変える成功体験」ですね。小さいところでもいいから、ルールを変えていく。そういう成功体験を積み重ねることで、社会に対する信頼ができるんです。仲間を増やしていくっていうことが大事だと思います。

Hide：うんうん。その応援を僕らもしていくってことですね。

＊

次回7月13日（水）は、お笑い芸人でゴミ清掃員としても活動する滝沢秀一さんがゲストに登場します。お楽しみに！

番組でお届けしたトークは音声サービス「AuDee」 https://audee.jp/voice/show/46652と「Spotify」 https://open.spotify.com/show/6biaO40gUuf4gbI2QhdTsL?si=C2-xOifkQz230V6X514UlAでも配信中。ぜひチェックしてみてください！

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聴取期限　2022年7月14日（木）AM 4:59 まで
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＜番組概要＞
番組名：UoC Mandala Radio
放送日時：毎週水曜23：00-23：30
パーソナリティ：近藤ヒデノリ（Hide）、平井美紗（Misa）
番組Webサイト：hhttps://www.interfm.co.jp/mandala