【解説】スマホの見過ぎで突然!片目が内側に寄って…コロナ禍で子どもに増える「急性内斜視」とは⁉

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看護師のmocaです。最近子どもに増加中の「急性内斜視」ってご存じですか? 先日、TBSの朝の情報番組『THE TIME,』で特集していました。通称”スマホ内斜視”とも言われ、コロナ禍で子どもがスマホやポータブルゲームなどを長時間見続けることが影響しているそうです。今回は子どもに起こりやすい急性内斜視の病態や予防法について詳しくまとめていきます。

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急性内斜視ってどんな病気?

内斜視とは、片目の黒目だけが内側に寄ってしまった状態です。
片目だけ寄り目になって左右の視線がずれてしまうんです。

スマホやタブレット、ポータブルゲームなどの小さい画面を近い距離で見ている時は、目を動かす筋肉の働きで両目が寄り目の状態になっています。
物を見るときは眼球を内側に向ける内直筋と、外側に向ける外直筋を使って焦点を合わせています。
近くを見るときは、内直筋が縮むことで寄り目の状態になるんです。

通常寄り目になるのは一時的ですが、スマホなどの使用で寄り目の状態が長時間続くと内直筋が縮んだままになり、寄り目が戻らなくなってしまう「急性内斜視」を引き起こします。


出典:イラストAC

目の機能が完成していない子どもがスマホやタブレット、ポータブルゲームなどの小さい画面を見続けると、眼球が元に戻らなくなってしまうリスクが高いといいます。

その他の症状として、以下のようなものがあります。
・物が二重に見えてしまう(複視)。
・斜視のある側の視力が低下する。
・物の立体感や遠近感がつかみにくくなり、人や物にぶつかりやすくなる。
・物を見るときに二重に見えるのを避けるために、首を傾けたり、顔の向きを変えたり、アゴを上下に動かしたりするなどのクセが出てくる。
・その他、眼精疲労・肩こり・頭痛など。

これらの症状があると、交通事故を招いたり、黒板の字が見えにくくなって学習に支障がでたりする可能性が出てきます。

急性内斜視の症状は子ども自身が自覚して訴えることができない場合もあるので、周りの大人がいち早く気づいてあげることが大切ですね。

急性内斜視の予防法は?

急性内斜視の増加は、コロナ禍で外出自粛やオンライン授業などデジタル機器を使う時間が増えたことが影響していると言われています。


出典:PHOTO AC

予防のためには、スマホやタブレット、ポータブルゲームを使用する際は、画面との距離を30cm以上離すようにすることや、長時間の連続使用を避けることが大切です。

寝ながら画面を観ていると、画面に近づきすぎてしまうので避けた方が良いです。
使用時間は長くても1~2時間とし、30分使用したら5分は休憩をして遠くを眺めるようにしましょう。

わが家では4歳の子どものタブレットの使用は1回20分、午前と午後で1日2回までとルールを決めています。
まだ時計が読めない子どもでも分かりやすいようタイマーのアラームで終了時間を知らせる工夫をしたり、夢中になるとどうしても前のめりになって画面との距離が近くなっていってしまうので、大人が気にかけて声をかけるようにしています。



子どもがなるべく遠くを見られる時間を作れるように、外で遊ばせる機会も増やしていきたいと思いました。

急性内斜視は、軽度であればスマホなどの使用を控えて目を休ませたり、光を屈折させる機能をもつプリズムレンズを用いた眼鏡で目の位置を矯正したりすれば治るそうです。
それでも改善しない場合は、内直筋の位置を変え、外直筋を短くする手術の適応になることがあります。

『THE TIME,』で、ひきち眼科の引地泰一院長は「いまの世の中デバイス(機器)を使わないわけにはいかないので、賢く使うことが必要だと思います」とコメントしていました。

子どものスマホやポータブルゲームの使用について各家庭でルールを決めたうえで、適切に使用していけたら良いですね。
もしも急性内斜視を疑う症状がある場合には、スマホなどの使用を控えて早めに眼科を受診するようにしましょう。

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