″政治家よりエンターテインメントが送るメッセージの方が伝わりやすい″~アントニオ猪木議員が会見 - BLOGOS編集部
※この記事は2014年08月21日にBLOGOSで公開されたものです
来る8月30、31日に、北朝鮮の平壌で、「インターナショナル・プロレスリング・フェスティバル in 平壌」が開催される。日本側の共同実行委員長であるアントニオ猪木参議院議員(71、次世代の党所属)が外国特派員協会で、イベントへの思いを語った。会見の要旨は以下のとおり。【編集部:大谷広太】元気ですかッ!!…元気があれば何でもできる。こう言い続けて何十年になりますけどね、元気もだいぶ疲れてきましてね。賞味期限が切れてきたかなと。でも、もうちょっと売っていこうかなと思っています。
国会の常識というのがありますが、私は国会の中の非常識。去年ここで講演したあと、北朝鮮に行ったということで懲罰委員会にかかりました。国会法の中に矛盾があります。
自民党批判ではないが、政権が強くなりました。私の場合も、議員団と5月に訪朝しようというときに、衆・参の議長からOKと言われたのに、取り下げてくれと言われた。これは三権分立が侵されているということだと思います。
いつも皆さんは私の過去に興味を持たれますが、普通の生き方とはちょっと違った生き方を歩んできました。まあ学問も大事ですが、学問以上に一歩踏み出す勇気、体験に勝るものなしということで、生死をかけた体験をさせてもらいました。
"スポーツ交流を通じた世界平和"と言い続けて、北朝鮮の訪問は今回で30回目になります。師匠である、力道山という戦後最大のヒーローが北朝鮮の出身ということはずいぶん長い間、表に出されませんでしたが、分断された国家にその師匠の思いを届けようと初めて行って来たのが94年でした。
拉致問題も話し合いの途についたばかりですが、私はいつも"外交に勝利なし"という言葉をよく使わせてもらいます。必ず国民が後ろについているわけですから、外交はどっちかだけが勝ってもいけない。
日本政府は拉致問題が解決したら北朝鮮と話し合いをします、という方針ですが、私なりに考えると、話し合いをしないでどうして拉致が解決するんだよと。これは皆さんに話すとすぐわかるんですが、バッジを付けている方には、"そういうことを言ってもらっては困る"と、怒られました。「バカヤロー!!」と怒鳴りたい感じでした。何か、後先が違ってしまっているのではないか、というのが私の感覚です。
ネットで見ると、そのときの評価は大変だったんですが、今は私を批判する人はほとんどいなくなりました。当時は相当いろんな嫌がらせ、バッシングが入ってましたけど、やはり何かを貫き通すためには、そういう風を受けながらも突き進んで、真実を訴える。生きてきた人生に悔いはないと思っています。
私は、いつも人よりも先を感じるというか、見えるというか、行動を起こした時にはなかなか皆さんに理解していただけないことが多いんですが、しばらくするとこれが評価に変わってくる。モハメド・アリ戦が良い例で、"あんな茶番劇"と言われましたが、今になると格闘技の伝説になっている。イラクの人質解放のときも単身で乗り込みましたし、あるいは平和の祭典を行ってきました。
スポーツ交流というのも、昔は理解されませんでした。1989年に選挙に出た時も、なんでスポーツと政治なのか、という声もありました。 しかし閉ざされた状況の中でも、みなさんが反対できないテーマがスポーツ、平和です。ドアを全部閉ざすんではなくて、必ずどこかを空けておかなければならないというのが、外交の基本ではないかなと思いますが、ここ何年かはそういう方向ではなく、全部閉ざす方向で時間が過ぎてしまっている。 私に言わせれば、「人生は一回だぜ!!」ということで、一瞬一瞬を大事にしていきたいと思っております。
あちらの方が何を期待しているのかということは、行ってみないとわからない。腹を割って、お酒を飲んで飲んで、飲み比べじゃないけど、そこまで行った時に本音の話が出てくる。お互いの心を知り、こちらの本音を知ってもらうことによって、平和外交につながっていくと思っています。普通だと聞けない本音の部分を、信頼関係のもとでズバリと切り込んで答えてもらっています。
北朝鮮がどういうメッセージを送りたいのか。それを我々はそのままを日本の国民のみなさんに政治のレベルではなくて新聞報道だけではなく実際に届ける。そういうことで偏見や思い込みがなくなってくると思います。 私はパキスタン、中東、アフリカと、ある意味では非常に危ない所で真剣勝負をしてきたんですね。できたら日本政府がもうちょっと私の経験を活かしてくれたらいいなと思っています。
北朝鮮に限らず、イスラム世界ではモハメド・フセインという名前も持っていますのしモハメド・アリと対戦したと言うと、アフリカで、あるいは中南米でも興味を持ってもらえます。そんな中で政治の話も付け加える。あんな馬鹿な奴、と思わず、ご理解をいただければと思います。政治家が送るメッセージ以上に、エンターテインメントが送るメッセージの方が伝わりやすいと思います。
■関連リンク
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