「悔しく、悲しい」笹井氏の死亡を受け、理研広報室長が記者会見 - BLOGOS編集部
※この記事は2014年08月05日にBLOGOSで公開されたものです
5日午前、理研CDBの笹井芳樹副センター長の死亡が報じられた。これを受け、理研の加賀屋悟広報室長が文部科学省内で会見を行った。「遺書の内容、把握していない」
笹井氏はSTAP細胞をめぐる一連の問題で心身ともに非常に疲労困憊しており、取材依頼も断るなどしていた。理研としても健康管理部門が通院状況についてを把握、ケアを行っていたというが、自殺につながるような具体的な兆候、出来事があったとは聞いておらず、今後把握したいと述べた。加賀屋室長によると、笹井氏はきょう午前9時前、先端医療センター研究棟内で3通の遺書とともに発見された。警察、消防が順に現場に到着、神戸市立医療センター中央市民病院に搬送され、11時3分、死亡が確認された。笹井氏が今朝出社したのか、徹夜明けだったのかといった直近の勤務状況など、詳細は現在確認中だという。
記者団からは、遺書の宛名とされる人物や内容についての質問が集中。「(内容を)知っているが話せないのか」など、繰り返し質問が飛んだ。遺書は秘書の机の上でも発見されたというが、笹井氏とともに発見された3通の遺書も併せ、宛名や内容について理研としては把握しておらず、公表については遺族の心情を優先し、相談の上決めたいとした。
小保方氏にもケア
小保方晴子氏については、どういう形で笹井氏の死亡が伝わったかはわからないが、ショックを受けていると聞いており、信頼できる職員を2名付けているという。「心よりご冥福をお祈りしたい」
笹井氏は1962年兵庫県生まれ。1980年に京大医学部、1988年に同大大学院医学研究科に進学。UCLA客員研究員、京大医学部助教授を経て、1998年、京大再生医科学研究所教授に36歳の若さで就任。理化学研究所では2000年から研究を行っていた。平成25年度の上原賞を始めとして、数々の受賞歴を持つ研究者だった。電話で連絡を取った際、笹井氏に元気がないと感じていたという加賀屋室長。「再生医療、幹細胞、神経分野の世界では第一人者、トップランナーとして活躍してきた。失った影響は非常に大きいものだ。」「悔しい気持ち、悲しい気持ちがある」「このような結果になったことは残念。心よりご冥福をお祈りしたい」と述べた。
菅官房長官も午前の会見で「世界的にも大きな功績のあった方だ。このような事態に至ったことは非常に残念だ」とコメントしている。 一連の騒動で、笹井氏は懲戒の対処となっていたが、処分はストップしていた。処分が出た場合、受け入れるよう、調査委員会の結果が出た段階、その前の段階でも役員が直接伝えていたというが、笹井氏自身が辞意を漏らしたかどうかなどは把握していないという。
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