※この記事は2014年03月07日にBLOGOSで公開されたものです

一番どん底だと思うのは「今」


-耳が聞こえなくなった、また回復してきたことについて、医師から原因についてどう説明されているか

おそらくですね、どこかのTV局の人が、東京大学のえらい先生を連れてきて「そんないったいだめになったものが直るなんて99%ありえないんだ。冗談じゃない」とおっしゃっていましたが、本当に今は回復してきているが、昔はもっともっとひどかった。彼(手話通訳者)には質問しないでくださいといいましたが、彼は証人です。本当に苦しい時代を一緒に過ごしてきてくれたので。回復しても結局、音が発音として正しく耳に入ってこないので、今変わらず現在もこれからも、手話通訳なしには生きていく道はないと思っています

-原因については医者からなんと言われたのか?

原因は不明といわれました。今回に限っていいますと、やはり先生は感音性難聴であり、聞こえのレベルは検査によってもこういうような数字が出ているけれども原因はわからないといわれました。ただ、診断結果ですけれども、一言付け加えるのであれば、佐村河内は手帳にはいたらなかったけれども感音性難聴でこれぐらい聞こえないということは日常生活に難ありの身体障害者であるということが、どの先生にこの診断書を見てもらっても一目瞭然だと伝えてもらいました。

-新垣氏は報酬の総額を約700万円と話していたが、それで間違いないか

いまちょっと覚えていないが、新垣氏からの領収書は全部、保存してあるので、後で調べることができます。収入印紙が張った領収書がどこかにあります。700万円が正しいのか、ごめんなさい、わかりません

-ギャラを吊り上げた話をきくと、700万を超えていると思えるが。

わからないです。

-音がねじれて聞こえると言うが、イメージがわかない。例えば「こんにちは」はどう聞こえるのか

すみません。説明できないです

-よくイメージできない

説明するとしたら、僕の場合、語尾、音の終わりの方が曲がっている感じです

-どう曲がる?上がるとか下がるとか

ちょっと難しいですね。お医者さんに感音性難聴についてきいてもらえれば。

-50年の人生の中で、輝いている瞬間とどん底の瞬間を教えてください

輝いていなかったなと思います

-嘘をついてつくった自分に満足していなかったということか

しょせん心の奥では嘘なので…。人をだましているのは事実なので、素直に喜べてはいませんでした

-人生で心から楽しいと思ったことは今までないのか

正直にいいます。自分が結局ツアーとかへ行っても、まともに音は聞こえていないのに、そこに座っていることは後ろめたい感じでした。ただ、ステージに僕が上がると、すごいみなさんが喜んでくださったのは幸せでした。

-一番どん底だと思うのはいつですか

今です

-佐村河内さんの嘘で、CDを販売している会社など、損害を被った関係者はいる。関係者に対して、損害賠償はするのか

はい

-関係者にはご自身からもう伝えてあるのか

はい。伝えてます。

-「現代典礼」という指示書には、「HIROSHIMA」というタイトルはなく新垣さんは驚いたと言っていた。なぜタイトルを「HIROSHIMA」へ変えたのか

もともとあの曲は自分の中では被爆2世の使命として、闇の中から最後に光が訪れるという想定が自分の中ではありました。ただ信じていただけないかもしれませんが、新垣さんは、作ってくれたときに、まったく興味を示してくれませんでした。その証拠に最後に会った時にですね、演奏したものを新垣さんの前でかけたんです。「すごいな。すごいな」といって驚いていました。

もう少し、今思い出したので、お話しますが、私は新垣さんには、最初は筆談をお願いしていました。そして、口話でゆっくりしゃべってもらって、分からないところはもう一回お願いします、と何百回も言ってきました。なのに、あの発言はありえない。すいません、どうしても言いたかったので。

広島への思いはもともとありました。それは本当に嘘じゃないです。ですけど、新垣さんに典礼という祈りという言葉が入っていますが、現代的な要素も入れたいということで、現代典礼の仮のタイトルをつけて。それを入れると彼が喜びますもので、現代の響きがはいって。で、先ほど話したCDをかけたときに僕は驚いたんですが、「もしかして、これはじめてきくの新垣さん」と僕はきいたんですね。そしたら、「ええ」と。彼は僕と話す時は「ええ」とかしか言わないので。「これまでのCDもプレゼントしましょうか」といったら「自分でかうからいいです」と。「まぁ持って帰ってください」と渡した時に「もしかして、他のCDは」ときくと「きいたこともありません。もってません」。これは信じられない思いでした。

-被爆者を利用したとは思っているのか

断じてありません

-2月中旬に代理人を務めていた弁護士が辞任した。具体的な経緯を教えてほしい

許可を得ていないので言っていいのか悩みますが。実は高橋大輔選手のお滑りになるタイミングといいますか、その前に、こういう場所を設けたかったんですが、まだタイミングじゃないと。今謝ると騒動が大きくなると弁護士さんと意見がわかれました。それだけです

-謝罪のタイミングで意見が分かれたと

はい

-佐村河内さんは早く謝罪したかったと

はい

-先日、広島に佐村河内さんの小、中、高校の同級生に会って話を聞いてきました。「自伝に書いてあることは嘘で、ピアノはやっていなかったと言われた。ただ、佐村河内さんが役者になる夢を持って上京したとして、全ろうの天才作曲家を演じている」と言っていたが。

そう思われても仕方がないと思っています。ただ一点、ちょうど思い出したので言わせていただくが嘘の自伝本には、幼少期のピアノ時代のことが克明に書かれていることにお気づきになった方もいると思います。あれは新垣さんから、私が嘘の自伝本を書くということを知って、積極的に、どのように、音大も出ないで耳も聞こえないで交響曲を書くにいたった人間が、どのようにすごい幼少期を過ごせば、すごいように見えるかということを、新垣氏自身が、本の構成に加担していたことを明かしたいと思います。だから、初めて読んだ時にびっくりしたというのは嘘です。

-それも新垣さんのせいにされるのか

はい -今の私の言葉に、スムーズに反応していた気がするが、勘違いか。

後でビデオで検証してください。私は手話通訳のタイミングで「はい」と言っているだけです

NHKスペシャルで私と新垣の関係、ゴーストの関係を知っているスタッフはいない


- 作風の違いを説明する際の証言に矛盾があるように思うが、曲によって聞こえ方、作られ方が違うのか

ちょっとダラダラいわれたこともあって、よくわからないのですが、新垣さんと一緒にきいているという感覚はありません。私が指示して新垣さんが書き上げた曲です。それが一緒にきいたニュアンスになると思います。

-交響曲の初演のとき、リハーサルに立ち会わなかったことについて、海外の有名指揮者が疑義を呈していた。新垣さんの書いた交響曲のスコアを見て、どの程度のレベルで曲を想像できるのか

ほとんど浮かびません。リハーサルに立ち会うと、突っ込んだことを質問されるので、避けてきました

-今の奥様のご家族との関係は絶縁状態なのか?

1995年から絶縁状態です。ですから、うわさをきいてビックリしたのですが、お母さんがインタビューにこたえていらした中で、「あれは私が電話しても出る」。お母さんは一度も電話なんかしてきたことはありません。

-テレビ番組の中で具体的に作曲のプロセスを説明しているが、あのストーリーは誰が作ったのか

レクイエムに関しては、私の指示がすごく多かったということはないというのが正直なところです。NHKスペシャルですよね。

-その中で「音をつかみにいく」といった表現があったり、具体的だったかああいう話は

アイデアはいつも生まれていて、それを出来るだけ正確に良い曲に仕上げてもらいたいという指示はたくさん出しているんですけれども、それがどこまで本当に仕上がっているか、というのは出出来上がった後、人々の感想とかピアニストとかの感想をみないと正直わからないんです。ですけど、いつも彼は誠実に私のリクエストに答えてくれるような始まり方、中盤…。あの曲にたいしても始まりは10個のパターン、単純な。ピアノですから、オケと違ってもう音数も少ないので、なるべく大きな音でカセットテープでしたが、彼からいただきまして、M1、M2みたいな形で間をあけてもらって録音してもらって、それをつたない譜面でやりながら、少しこのイメージがいいなと。 僕の一番最初にもとめていた、それは新垣さんからとても反対されたんですが、ソナタにも関わらずバロック形式で始まって欲しい。猛反対されました。でも、とにかくイ短調、バロックで作って欲しい。一応一曲の中にもM10にも入れていただいたのですが、やっぱり僕はそれがいいと何度も何度もお願いして、M10を始まりにしてくださいという部分が、2番の始まりの部分です。それにM1をくっつけてつなげてできませんか、という話から始まりまして。

-NHKの人との間で演出が過剰になったのか

すみませんあの、質問から少しそれるかもしれないけれども、何もかも、すべての責任は私にある。NHKの方が今たいへんな思いをしている。すべて僕のせいで、名前を出しませんが、槍玉にあげられているという話をきいて、6年間続いた友情が、事件発覚後も彼はやさしい言葉をかけてくれたがすばらしい人間だったが、やはり耐え切れなくなって、「自分の罪の重さを知れ」という言葉で、サヨナラとなりました。

-あの番組を見た方は多いと思うので、しっかり説明をした方がいいのでは

NHKスペシャルで私と新垣の関係、ゴーストの関係を知っているスタッフはいない。

-知っているかではなく、演出の部分のことです

明らかに私がディレクターたちをだました過剰演出です。アイデアとしてのことというのが、あると思うが、作曲しているのは新垣さんなので、そういう努力をしていたのは事実です。プロデュース的なことだと思うのですが、それが精一杯でした、私には。

-完成した番組を見て、どう思ったか

特に感情的になって、歓喜するような番組だとは思いませんでした。それをディレクターの方も望んおりましたし。「やってやったぞ」みたいな終わり方にはしないという話でしたし、自然にいきましょうとやっていた。

-真実をできるだけ証明した方がいいのではないか。間接的な証明の仕方として、ご自身が手話ができるのか?という方法があると思うが、手話でメッセージを。

(立ち上がり、手話でメッセージを送る)

終わりたいと思います。申し訳ありません

ー佐村河内氏は、様々な方向に深く頭を下げてから、会見場を後にした。

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